【世界の人権・パレスチナ(東エルサレム)】 2010/06/29 東エルサレムにおける住宅破壊、新しい入植活動は戦争犯罪に匹敵しうる、と国連専門家

2010629日) 本日、国連独立専門家が、国際法上、占領地から人を移動させること、占領地に人を移住させることは戦争犯罪に該当すると警告し、イスラエルに対し、東エルサレムにおけるさらなる人権侵害を止めるよう強く求めた。

 

1967年以来占領されている被占領パレスチナ地域における人権状況に関する国連特別報告者リチャード・フォーク氏は、エルサレム市長による地域の再開発の一環であるシルワンにあるパレスチナ人住居22棟の取り壊し計画案とともに、居住権の喪失の危険性に脅かされている4人のパレスチナ人の状況を例証した。

 

「これらの行動が実行されれば、国際法の侵害となり、そのうちのある行動は国際人道法上、戦争犯罪に匹敵する可能性もある。」と、ジュネーヴを拠点とする国連人権理事会に無報酬の立場で報告しているフォーク氏は警告した。

 

同氏は、イスラエルが、現職または前職のパレスチナ立法評議会の議員であり、東エルサレムに長年居住している4人のパレスチナ人の居住許可の取り消しを検討していることは「不穏なことである」と述べた。イスラエル高等裁判所は、彼らの事件を96日に審理する予定である。

 

「特に衝撃的なのは、イスラエルが、イスラエル国家への忠誠心がないと見られることを理由にこれらの個人を強制的に移動させる準備が出来ているように見えることである。」と彼は述べた。「占領国のイスラエルが、東エルサレムから民間人(文民)を移動させることは禁止されているし、パレスチナ人に忠誠を誓わせるか、あるいはその他の形でイスラエル国家への忠誠心を確認させることも禁止されている。」

 

先週、潘基文事務総長は、エルサレム市当局がシルワンでの既存住居の取り壊しと、さらなる入植地建設の計画をすすめていることに対し、計画されているこの移動は国際法に違反するものであり、パレスチナ人住民の希望に反することだとして、深い懸念を示した。

 

「事務総長は、イスラエル政府が市内の緊張を高めるような挑発的な行動をとらないことを確保する責任を有することについて念を押すものである。現在の移動は、政治的交渉を支える信頼を醸成することを目標にしなければならないときに起きており、協力的でないものである」と、事務総長の広報官が木曜日に発表された声明で述べた。

 

フォーク氏は、東エルサレムが国際法上の占領地域であるという事実を強調して、シルワンの状況は、イスラエル政府によって深刻な国際法違反の発生を防ぐ緊急の行動が講じられることが当然となる状況であると話した。

 

「国際法は、イスラエルにパレスチナ人住居をブルドーザーで撤去し、庭やその他の建設物を建てる市長の計画のための場所を作ることを認めていない。」

 

「この状況は、すべてイスラエル入植地を増やすために、パレスチナ人に対して住居建設を不許可とすること、住居は違法であると宣言すること、家族を強制的に移住させること、その上で家を破壊することを含めた、東エルサレムからのパレスチナ人の追放のための、イスラエルの執拗で組織的なアプローチの文脈の中で理解されるべきである。」

 

Demolitions, new settlements in East Jerusalem could amount to war crimes – UN expert”

http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=35175&Cr=Palestin&Cr1