国連人権担当官トップは、8ヶ月前、ガザにおけるイスラエルの軍事行動において行われた疑いがある人権侵害について、「信頼できる、独立し、かつ透明性のある」調査を要請した。
「イスラエル軍とパレスチナ人過激派により行われている深刻な国際人道法違反の重大かつ一見明白な証拠(疎明証拠)がある。」と、まだ個別の事例一つ一つを評価する立場にはない点に注意喚起しながら、国連人権高等弁務官のナビ・ピレイ氏は新しい報告書において述べている。
人権侵害の嫌疑には、ガザ市民と非常に多くの民間運営施設、病院や学校、27,000の家屋に対するイスラエル軍の攻撃や、パレスチナ人グループのハマスがイスラエルへの協力者だと目する者、ハマスと対立するファタハ組織の支持者らだと目する者に対する、イスラエル軍事行動中及びその後のハマスによる多数の超法規的殺害、鞭打ちや拷問が含まれる。
来月始まる第64回国連総会において国連調査チームが発表する別の報告書が、本日発表され、「キャスト・レッド作戦(イスラエル軍の攻撃)中の国際人道法違反、特に、市民を標的とした攻撃と財産や宗教的・文化的物品に対する理不尽な破壊行為」を引用している。
ピレイ氏は、ジュネーブを本拠とする国連人権理事会に対する報告において、経済に壊滅的な影響を与えているガザ地区封鎖の完全な解除につながることを望み、イスラエルが被占領パレスチナ地域に対する制限を直ちに緩和することを要請した。
彼女は「ガザ地区封鎖と、西岸地区への、また西岸地区内部での人員および物資の出入域の制限は集団処罰に等しい。」と、イスラエルが締結国であるジュネーブ諸条約に抵触することに言及しつつ、また、イスラエルの刑務所に拘留されているパレスチナ人に対する拷問の疑いについても引用しながら、述べた。
彼女はイスラエルに対し、「違法な」被占領パレスチナ地域への移住拡大を中止し、直ちに、パレスチナ人住居に対する、特に東エルサレム地域での強制退去、破壊行為を止めるよう、また、移住者による暴力に対する絶えざる不処罰の問題を「緊急の問題として」解決するよう求めた。
「高等弁務官は、とりわけ、イスラエルがまだ国際司法裁判所(ICJ)の壁に関する勧告的意見に従っていないことを、深刻に懸念している。」と、イスラエルが自爆テロやその他襲撃を防ぐための建造物だと主張している障壁について言及して、彼女は記した。
国際司法裁判所は被占領パレスチナ地域内に障壁を築くことは、その予定ルートが西岸地区の9.5%を取り囲んでいるため、国際法に反していると判断した。4月10日までの期間を報告対象とするその報告書は、人権理事会によって与えられた「占領国イスラエルによるパレスチナ人の人権侵害に関する」一連の任務の最初のものである。
「被占領地域のパレスチナ人及びその他のアラブ人の人権に影響を及ぼすイスラエルの行為を調査するための特別委員会」が国連総会に提出する調査報告書では、「西岸地区において、イスラエル軍・警察が駐留する中で、ユダヤ系移民によるパレスチナ人に対する暴力的事件数がますます増加していることについて、特に強い懸念」を表明している。
同委員会は「経済的・文化的権利、とりわけ教育権と健康権の侵害が持続し、ときに深刻化していること、移動の制限の強化、パレスチナ人の農地・果樹園への攻撃と破壊」に言及した。
スリランカ、マレーシアとセネガルから成るメンバー3名の委員会は、エジプト、ヨルダンおよびシリアで、目撃者とNGO団体の証言を記録し、10日間の派遣から戻ったところである。1968年の設置以来、同委員会は、イスラエル政府により協力と被占領パレスチナ地域への立ち入りを繰り返し拒否されている。
SIGNIFICANT PRIMA FACIE EVIDENCE OF SERIOUS RIGHTS ABUSES IN
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=31768&Cr=palestin&Cr1