【世界の人権・ラオス】2009/11/01 国連専門家が宗教的少数派の排斥に対し警告

20091101日ニューヨーク)

 ラオスの宗教的少数派は、高等教育へのアクセスや公的部門での昇進の機会がほとんどなく、意思決定プロセスから実質的に排除され、孤立したままであると、国連の独立人権専門家は本日述べた。
  

 信教と信条の自由に関する特別報告者であるアスマ・ジャハンギル氏は、ラオス当局に対し、宗教的多様性への尊重を維持・促進するよう要請し、一週間のラオス訪問を総括した。

 

 彼女は、首都ビエンチャンで発表した声明で、「信教と信条の自由が保障されているか否かは、宗教的少数派に対する寛容のレベルにかかっている」と、述べた。

 

 彼女は宗教的少数派には高等教育やその他の機会へのアクセスが僅かかあるいは全くないようであることに対し、懸念を表した。

 

 「公的機関における彼らの昇進と意思決定への参加という意味では、ガラスの天井が」存在していると、宗教的少数派が決して排斥されるべきでないことに対し警告を発しながら、ジャハンギル女史は付言した。

 

 特別報告者はラオス滞在中、政府高官らおよび民間人らと会ったが、彼女が会った人の中には、自己検閲を行っており、宗教的問題に関し、政府当局に接触することは躊躇されると語った人びとがいたという。

 

 彼女は、彼女の事務所は、宗教信仰者らへの扱いについて、キリスト教徒に信仰を放棄するよう強制することを目的とする公的キャンペーンや、信仰を理由とする逮捕の報告を含む深刻な申立てを過去10年に渡って受けていると言明した。

 

 ラオス当局はジャハンギル女史に対し、過去幾つかの事件があったことは認めたが、将来的にはそれらが許容されることはないこと、新たな命令が下位の政府職員にまで及んでいることを彼女に請け合った。

 

 彼女の声明において、特別報告者は、ラオスが、最近、宗教に基づく差別と、信教の自由の行使としての移動を含めた、個人の移動の不合理な制限を禁じる、市民的及び政治的権利に関する国際規約(ICCPR)を批准したことを歓迎した。


 
ジャハンギル女史は特別報告者として無償かつ独立の立場で任務を遂行し、ジュネーブに本部をもつ国連人権理事会に報告する。

 

“UN EXPERT WARNS AGAINST MARGINALIZING RELIGIOUS MINORITIES”

 http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=33092&Cr=lao&Cr1