(2009年12月25日 ニューヨーク)
国連の人権高官トップは本日、中国の著名な作家に下された裁判所の判断と重い量刑について、深い憂慮を表し、中国の人権に関する深刻な後退の表れであると警告した。
作家で有名な人権活動家でもある劉暁波は、「国家転覆の教唆の疑い」で有罪となり、報道によると11年間の懲役を科せられた。
国連人権高等弁務官のナビ・ピレー氏は金曜、「劉暁波に対する有罪判決と極めて重い量刑は、中国における表現の自由の範囲がより厳しく制限されていることを示すものである。」と語った。
ピレー氏は、今回の裁判所の判決は、人権擁護者の活動に対し弾圧が高まっていることを示す、もっとも最近の事例であると述べた。
同氏は記者発表において「近年、中国での日常生活において、知識人、法律家、ジャーナリストの役割が増してきていることに、深い関心をもって注目してきた。」と述べた。
さらに加えて、「このことは過去10年間に中国が成し遂げた急速な発展のよい影響であるが、劉暁波のような事例はそのような機運を止めるだけでなく、深刻に後退させる危険がある。」と述べた。
劉暁波は零八憲章の作成に関わった結果、有罪判決を受けた。零八憲章は300名余の中国人知識人と人権擁護者が、中国における政治改革と人権の向上を求めて署名した文書である。
2009年初め、中国は、市民が「意見を聴いてもらう権利」を確実に享受できるように「さまざまなチャンネルを開く」ことを政府として約束した、国家人権行動計画を採択した。
2009年2月、中国は、新しい国連人権理事会の制度である普遍的定期審査を受け、民主主義、法の支配及び人権を促進するべく、継続して努力することを約束した。
「今日の判決は極めて遺憾な出来事であり、人権を擁護し促進するという近年の中国の約束に悪い影を落とす。」とピレー氏は述べた。
“Imprisonment of Chinese dissident deeply concerns UN human rights chief”
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=33348&Cr=China&Cr1=#