【世界の人権・中国】2009/12/24 予定されている死刑執行を中止するよう国連人権専門家が中国に強く要求

20091224日 ニューヨーク)

国連人権専門家は今日、中国に対し、薬物売買の罪で有罪判決を受けた男性について、精神疾患の強い兆候が見られるにもかかわらず、量刑においてそれが考慮されなかったことに言及し、予定された死刑執行を中止するよう強く要求した。

 

超法規的・即決・恣意的処刑に関する国連特別報告者のフィリップ・アルストン氏は、イギリス国籍のアクマル・シェイク氏が、今週初め、死刑判決に対する上告で敗訴したことを受け、発言した。

 

報道によると、シェイク氏は2007年、中国西部の新疆自治区において、ヘロイン4kgを所持していることが発覚し逮捕された。支援者たちは彼が精神疾患を患っていると主張してきた。

 

ジュネーブでの記者会見における声明の中で、アルストン氏は、「中国国内法、国際法ともに、重い精神疾患を患う者が犯罪を犯したときに死刑に処してはならない、と明確に規定している。」と述べた。

 

アルストン氏は、中国が先ごろ、該当する国際基準にのっとって死刑を実施することを確実にするための、”重要なステップ”を踏み出したところであることも述べた。

 

「精神疾患のある者を死刑に処することは、中国にとって大きな後退であり、中国政府が本件について寛大な措置をとることを、深く希望する。」と同氏は語った。

 

同氏は、中国司法当局がシェイク氏の精神鑑定を否定した決定について、10月に中国政府に対して見直すように要請したが、それに対して何の回答も得ていない、とも述べた。

 

ジュネーブに本拠を置く人権理事会に報告するアルストン氏は、独立、無償の立場で任務に携わる。

 

“UN human rights expert urges China to cancel planned execution”

http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=33340&Cr=Alston&Cr1=