(2008年1月25日 ニューヨーク )
今日、国連の独立人権専門家は、大韓民国(韓国)領域内に住む北朝鮮から来た人々を援助する取組みに韓国政府が参加したことを歓迎した。一方で、もっとも社会的に弱い立場の人々を援助するより多くの措置を行うよう勧告している。
北朝鮮の人権状況についての国連特別報告者ヴィティット・ムンタボーン氏は1月19日から24日までの韓国訪問を受けて、ジュネーブで発表されたプレス・リリースの中で、朝鮮戦争の災禍による影響、たとえば捕虜、失踪者、離散家族の問題などに引き続き注意を払うように求めている。
また、ムンタボーン氏は、北朝鮮からの逃避(脱北)を求める人々により多くの支援を実施するとともに、「(人道支援の)対象である末端の集団にそれが届くよう確保するための効果的なモニタリングを伴った」北朝鮮への人道支援に、より焦点をあてることを求めている。
同特別報告者は、定住目的で韓国が北朝鮮から受け入れた同国民10,000人以上に対する支援を称賛した。その上で、彼らが新しい生活に適応することを援助するより長期的な施策、地域や家族の連携にもとづく社会的な支援、教育、雇用の支援、心理面の援助、離散家族の再会の可能性をより高めること、他国の保護を受けていない人々に提供されるべきより多くの保護の実施などを韓国政府に奨励する。さらに、韓国に定住した人々の成功談をつかってより積極的な情報キャンペーンを行うことで、他国への避難を求める北朝鮮からの脱北者への良いイメージを確保し、共感をはぐくむことも奨励している。
同専門家は、より長期的な支援期間を通じた、年金の支給、雇用やその他の機会の提供など、これらの人々に対する援助が増えていることを称賛した。
政府要人、代議士、NGOやその他の人々との面談に加えて、同特別報告者は、多くの北朝鮮国民とも、新たに入国してきたばかりの人々から、韓国に一定の期間、定住している他の人々に至るまで、会って聞き取りを行った。
ムンタボーン氏は、社会への適応を助ける面倒見のよい近所の人々の支えを受けつつ、脱北者の若者に教育的、職業的訓練を行っているプログラムに勇気づけられた、とも述べている。
同時に、ムンタボーン氏は、北朝鮮による拷問の被害者や、“新しい社会に溶け込むことを困難に感じているかもしれない“中高年の世代の人々にも、より長期的な手当てが必要だと指摘した。
ムンタボーン氏は、北朝鮮国民が韓国への途上で他国民との間で子どもをもうけ、その子どもが第三国へ残された場合のように、異国民間での結婚で生まれた子供たちが直面している「胸が張り裂けるような」状況に、より注意を払うべきだと訴えた。北朝鮮に残された家族についても、その離散家族の再会という同様の課題がある、とも付け加えている。
最後に、韓国国家人権委員会について、その独立性を確保する必要性を強調しつつ、その活動を称賛した。
“UN rights expert hails
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=25408&Cr=korea&Cr1=