(2007年11月5日)
パキスタンでの非常事態宣言を受けて、国連事務総長潘基文氏は今日、国連人権専門家を含む拘束者を解放し、民主的統治の回復に向けて行動をとるよう同国政府当局に求めた。
スポークスマンが伝えた声明において、事務総長は「宗教と信仰の自由の国連特別報告者アスマ・ジャハンギル氏を含む、数百人もの人権活動家あるいは反政府活動家が拘束されたことに対し、深い失望」を表明している。
事務総長はパキスタン政府に、拘束者をただちに釈放すること、メディアへの規制を解除すること、民主的統治を回復するため早く行動をとることを求め、議会選挙を予定通り行うことを訴えた。
ジュネーブでは国連人権高等弁務官ルイーズ・アルブール氏が、パキスタンにおける基本的人権の停止と非常事態宣言に警鐘を鳴らし、同国政府に対し、拘束者の状況を明らかにし、政治的信念を理由として拘束される者がないことを確保するよう求めた。
声明においてアルブール氏は、ジャハンギール氏および同国の指導的な裁判官や弁護士、政治活動家、人権活動家が拘束されたり自宅軟禁されているという報告に、懸念を表明している。
「非常事態宣言は、国家に緊急の安全保障上の脅威が差し迫ったときにのみ用いられるべきもので、司法の廉潔性や司法の独立を掘り崩すものであってはならない。」と高等弁務官は述べた。
恣意的拘束、拷問及び残虐な取扱い、非人道的な取扱い、品位を傷つける取扱いの禁止は、緊急事態においても停止できない。そのような広範な人権制限は、状況に見合ったものでなければならず、その状況に対処するために厳格に必要な程度および期間に限って、適用が許されるものであると述べた。
“Ban Ki-moon urges Pakistan to release detained, return to democratic rule”
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=24527&Cr=Pakistan&Cr1=&Kw1=Arbour&Kw2=&Kw3=
****************************************
【パキスタン】 2007/11/06 民主的統治の回復を、国連事務総長が再度求める (抄訳)
(2007年11月6日)
潘基文事務総長は、パキスタンにおける民主的統治の回復と、拘束されている国連人権専門家及び同国の政治指導者や弁護士の解放を再度求めた。
「パキスタン側の申し出を受けて、ムニール・アクラム大使と面会し、パキスタンで起きたことについて、深い懸念と遺憾の意を再度表明した。」と、潘氏はニューヨークで記者団に語った。
<“http://www.un.org/apps/sg/offthecuff.asp?nid=1089“>
「同時に、パキスタン政府は可能な限り迅速に民主的統治と手続を回復するように、またすべての拘束された政治指導者、弁護士、そして宗教と信仰の自由の国連特別報告者アスマ・ジャハンギル氏を釈放するように、強く要請した。」と潘氏は述べた。
ムシャラフ将軍と話をしたかという質問に、事務総長はまだであると答え、「近隣地域のリーダーとは話をしており、状況を注視している。」と付け加えた。
(以下、省略)
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=24559&Cr=pakistan&Cr1=&Kw1=pakistan&Kw2=&Kw3=
“Ban Ki-moon repeats call for return to democratic rule in Pakistan”