【世界の人権・東ティモール】2007/07/26 重大な犯罪に対する恩赦を禁止しない限り、真実委員会をボイコットすると国連が表明

(2007年7月26日) 

東ティモールの独立に至るまでの流血を伴う闘いの後、和解を促進するために、インドネシアと東ティモールが共同で委員会を設立したが、人道に対する罪やその他の甚大な人権侵害に対する恩赦の勧告をすることを排除しない限り、国連職員はこの委員会をボイコットする。

潘基文国連事務総長の報道官が本日述べたところによると、国連は方針として、「大量虐殺、人道に対する罪、戦争犯罪、深刻な人権侵害の恩赦は是認も容認もできないし、それを助長するようなことは何もするべきでない。この原則の立場を保つことが事務総長の固い決意である。」
http://www.un.org/News/Press/docs/2007/sgsm11101.doc.htm

岡部万里江報道官によれば、2005年に両国によって設立された真実友好委員会(CTF: the Commission of Truth and Friendship)によって、過去数回にわたって、元事務総長特別代表イアン・マーティン氏をはじめ、国連東ティモール・ミッション (UNAMET: UN Mission in East Timor) の職員に対して、委員会の手続で証言をするよう招請がなされてきた。

しかし、真実友好委員会の権限条項では、1999年東ティモールのインドネシアからの独立のための直接投票の後に発生した流血の惨事を対象としており、そこでは9人の国連現地職員も死亡したのだが、人道に対する罪、甚大な人権侵害、国際人道法の深刻な違反を構成する行為について、恩赦を勧告することを排除していないと、報道官は続けた。

「それゆえに、委員会の権限条項が国際基準に合致するように改訂されない限り、国連職員は委員会手続きにおいて証言をしないし、CTFの作業を支援したり、それによって、そのような行為の恩赦を与える可能性を助長することになる他のいかなる方策もとらない。」と報道官は述べた。

本日の声明は、昨年8月に提出された当時の国連事務総長コフィ・アナン氏の安全保障理事会への報告書に沿って発表されたもので、報告書の中でアナン氏は、「…しかしながら、もし和解プロセスがアカウンタビリティ(説明責任)を果たす道を閉ざしてしまうとしたら、極めて遺憾である。」と述べている。岡部氏はこのレポートが国連の立場を「明確に示している。」と述べた。

「委員会の手続には参加しないが、国連はCTFにおいて進行中の手続きについて報告を受ける。そしてこの機会に明言しておきたい。国連は、UNAMETが1999年の直接国民投票の間と、その職務遂行の中で行った模範的な仕事を、明確に支持する。」と報道官は述べた。

 
“Timor-Leste: UN to boycott Truth Panel unless it bars amnesty for gross abuses” http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=23340&Cr=timor&Cr1=