【世界の人権・カンボジア】 2009/08/12 カンボジアのジェノサイド裁判所に腐敗防止監視機関を設置

2009812日 ニューヨーク)

 国連とカンボジアは、30年以上前のカンボジアにおける悪名高い「キリング・フィールド」大虐殺の加害者たちに正義(法の裁き)をもたらすために設立された法廷に、これを監視するための腐敗(汚職)防止監視機関を設置する協定を結んだことを公表した。

 

 2003年に国連とカンボジアによって設立され、地元の職員及び国際的な職員をスタッフとしているカンボジア裁判所特別法廷(ECCC) <http://www.eccc.gov.kh/english/> は、1975年から1979年の間のクメール・ルージュ統治下で実行されたカンボジア法及び国際法の重大な違反について(クメール・ルージュの)幹部と最も責任のある者を裁くという任務を負っている。

 

 国連のピーター・タクスウィ=ジェンセン法務担当事務次長補(ASG)とカンボジアのソク・アン副首相が本日、首都プノンペンで公表した共同声明によれば、独立参事官(Independent Counsellor)の指名は、「腐敗防止措置を含むECCCの運営全般における人材管理の強化を助けるためのさらなる一歩を示すものである。」

 

 この新しい役職は、「不正行為の報告を善意で行ったことに対する報復のいかなる可能性に対してECCCの(カンボジア人と外国人)スタッフ双方を完全に保護することを含め、適正手続の要求を確かなものにするだろう。」と声明は付け加えている。

 

「この中で、独立参事官は、あらゆる懸念を秘密に伝えるためにすべてのスタッフが使うことができ、そのような懸念に取り組む権限を与えられることになるだろう。」

 
 同特別法廷(ECCC)は、カンボジア人職員及び判事と、外国人職員及び判事の混成スタッフで運営されており、2人の検察官がいる。91日付で辞任する国際共同検察官のロバート・ペティットと、カンボジア人のチア・リアンである。

 

推定は様々だが、最大で200万人の人々がクメール・ルージュ政権下で死亡したと考えられており、その後、窮乏化したこの国では長引く内戦が続いた。

 

現在、同裁判所では、2つの事件の手続が進められており、名高いS21収容所の所長であった時期の拷問や計画的殺人を含む罪で訴追されているカン・ケック・イウ、通称ドゥックに対する公判も含まれている。ヌオン・チアは、文民に対する殺人、拷問、奴隷化を計画し、命令した罪での訴追に直面している。

 

“ANTI-CORRUPTION WATCHDOG TO JOIN UN-BACKED GENOCIDE COURT IN CAMBODIA

http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=31750&Cr=Khmer+Rouge&Cr1