【世界の人権・カンボジア】2007/06/13 国連支援のクメール・ルージュ裁判、裁判官ら『内部規則』に合意

(2007年6月13日)

1970年代後半のカンボジアにおける大量殺戮とその他の恐ろしい犯罪の責任を問われている、クメール・ルージュの元幹部たちを裁く国連支援を受けた法廷の裁判官たちは、1年近くの交渉の末、全会一致で裁判所手続きの規則について合意に達した。

 首都プノンペンで昨日終了した全体会議において、国内外からの裁判官が『内部規則』を採択したのを受けて、裁判の審理がカンボジア裁判所特別法廷(ECCC)において近々開始されるだろう。

 今日の裁判官らの共同声明によると、「『内部規則』を起草するプロセスは複雑であった。」 またECCCは国際司法における「類例のない実行」であると述べた。

 「今回の混合法廷は初めて、その設立根拠を裁判所が運営される現地の国内法に置きつつ、共同捜査判事たちの役割を手続に組み込んでいる。」

 交渉は11ヶ月前、同裁判所の裁判官と検察官が宣誓をした時に始まったが、裁判官たちが異なる法制度の国から来ていることによってより複雑になった、と声明はつけ加えている。

 今月の全体会議で、いかにして被害者の権利と参加を確実にするか、などの残された問題を裁判官たちは解決した。 今や被害者は付帯私訴の当事者として手続に参加する権利をもつことになる(ただし集団的で非金銭的な補償措置のみを受けることができる)。

 本日ECCC公判前裁判部が、同裁判所の捜査官に対する宣誓式を執り行うために召集されることになっており、また、検察官はすぐにも第1回の司法捜査請求書(introductory submission)を提出すると見込まれており、それによってようやく捜査判事たちが司法手続きに取りかかることができる。

 裁判官たちは「カンボジアの人々がこの手続きが進むことを長い間待っていたのを、痛切に実感している。」と述べ、「これらの裁判を、最高水準の正義が守られていることを確保しながら、迅速に完結させること」への決意を持っていると強調した。

 国連とカンボジア国で交わされた合意によると、カンボジアの法制度内でこれらの事実審(第一審)裁判所と最高裁判所が、1975年4月17日から1979年1月6日までの間に起きた、カンボジア法と国際法上の犯罪や深刻な違反について責任をもっとも負う者たちを審理することになっている。

“Judges at UN-backed Khmer Rouge trials agree on international court rules” http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=22893&Cr=cambodia&Cr1