【世界の人権・カンボジア】2007/01/26 クメール・ルージュ裁判問題に進展あるが、主要課題は未解決」と国連報道官発表

26日国連報道官は、カンボジアの内部規則検討委員会は、この2週間で大きな進展を見せたが、いくつかの「主要な課題」が未解決であると述べた。同委員会の目的は、70年代の大量虐殺や他の残虐な犯罪の責任を問われている元クメール・ルージュ幹部らの裁判が停滞していた状況を打開することにある。

 報道官ファーハム・ハク氏はニューヨークで報道陣に、ECCC(民主カンボジア期の犯罪を訴追するためのカンボジア裁判所特別法廷)内部規則検討委員会が、内部規則の起草について首都プノンペンで2週間に渡る会合を26日終えたと伝えた。クメール・ルージュ裁判の3年間の予算は5630万ドルで、その多くを国連が拠出している。

 同氏は、「検討委員会は2週間の会期中に確実な進展を得た。多くの問題について、意見の違いを大幅に埋めたが、いまだ主要な課題のいくつかは完全に解決されたわけでない。」と述べた。「例えば、外国人弁護人の透明で公正な登録手続きと、その完全な在廷の権利を確保できるように、カンボジア法と国際法をECCCの内部規則にいかに統合するかなどが、未解決の課題である。」とつけ加えた。同委員会の次回開催は、3月に予定されている。

 プノンペンからのプレスリリースにおいて、検討委員会は「カンボジア国民に益するように、公正で透明な裁判を保障することが急務であることを、痛切に認識している。」とし、さらにこれまで委員会が11月よりその目的を達成するために従事し、さまざまな意見の相違を解消するように継続的に努めてきたと伝えた。

 特別法廷の判事及び検事は昨年7月に宣誓を行った。国連とカンボジア国の間の合意に基づき、カンボジア司法システムの中に設置されたこの事実審(第一審)法廷と上級審裁判所が、1975年4月17日から1979年1月6日の間のカンボジア法及び国際法j上の犯罪及び深刻な違反についてもっとも責任の重い者たちの審理を行う。

 国連が特別法廷予算5630万ドルのうち、4300万ドルを、カンボジア政府が1330万ドルを拠出する。

 2005年開かれた国連の裁判協力支援を約束する会議において、当時のコフィ・アナン事務総長はクメール・ルージュ期に犯された犯罪の「性質と規模はいまだほとんど理解不能である。」と述べ、また「この残虐な犯罪の犠牲者たちは、長すぎる間、正義を待っている。」と語った。

(出典)
UN News “Cambodia: Progress in Khmer Rouge but ‘major issues’ remain: UN spokesman”
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=21356&Cr=cambodia&Cr