【世界の人権・ネパール】2009/08/28 「ネパール軍人の犯した人権侵害行為に対する責任を追及しなければならない」と国連高官

(ニューヨーク 2009828日午後1時)

 

 ネパールにて国連高官は、10年にわたる内戦において政府軍人によって行われたと疑われる人権侵害について調査すること、加害者の責任追及が確保されることの必要性を強く主張した。

 

 深刻な人権侵害に対する責任追及に進展がないことは、昨日、カトマンドゥで行われた、リチャード・ベネット国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)代表とチャトラ・マン・シン・グルン軍参謀長間の会談において主要な焦点となった。両名が話し合ったOHCHRの述べる懸念事項は2003から2004年にネパール軍のマハラジガンジ兵舎内で発生した、恣意的な拘禁、拷問と強制失踪事件について、政府が適正な調査を怠ったことである。

 

OHCHRは再度、ネパール政府に対してマハラジガンジ兵舎において発生した人権侵害を、当時の指揮系統における責任の所在も含め調査するよう、求める。」と、ベネット代表は述べた。

 

 ベネット代表は、兵舎で人権侵害行為が行われた期間に指揮命令権を有する地位にあった人物が、最近、昇格や任期延長の推薦を受けていることにも言及した。

 

 OHCHRの発表したニュース・リリースによると、ベネット代表は、和平プロセスの一環として、ネパール軍人とマオイスト(ネパール共産党毛沢東主義派)の幹部の双方について「将来、そうした論議が起きないようにするために」包括的な調査をするよう、提案したという。

 

 加えて、ベネット氏は、国連平和維持活動の任務遂行のためにネパール軍の果たした重要な貢献に言及する一方で、中立かつ公平な調査機構が設置されるまで、人権侵害を犯した疑いのある個人の、昇格、任期延長、国連任務への指名を保留すべきだと述べた。

 

 グルン将軍は、グルン将軍側としては、ネパール軍は、人権侵害行為で有罪であると証明された将兵に対しては処罰を加え、内戦の間に生じた人権侵害を調査するために設立された、強制失踪に関する調査委員会といった「適切に構成された公平で中立の機関」に協力するつもりであると述べた。

 

NEPAL ARMY PERSONNEL MUST BE HELD ACCOUNTABLE FOR RIGHTS ABUSES, SAYS UN OFFICIAL”

http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=31879&Cr=nepal&Cr1