(2011年4月8日 エジプト)
今年の初めに起きたホスニー・ムバラク政権を打倒した革命以来、エジプトの人権は進展してきたが、移行期において不処罰(の問題)と闘うことや包括的な対話を保障することなど、取り組む必要がある多くの課題がある、と国連チームは報告した。
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)からの5人のメンバーから成る使節団が3月27日から4月4日までエジプトへ訪問し、現在の指導者に、変革に対するエジプトの人々の正当な要望を具体的な民主的改革に移し換えていくことを促した。
使節団は、また、カイロで本日発表されたニュースリリースによると、人権侵害や不処罰と闘うことを求め、「移行期にあるどの社会においてもその改革への信用性は、過去と現在の人権侵害に対処した方法に依拠する」と述べた。
2月中旬のムバラク氏を追放した大衆暴動は、チュニジアの指導者打倒の民主主義を求める抗議運動から波及し、多くの北アフリカや中近東へ飛び火していった。
先月、OHCHRは、政府高官、市民社会グループなどと面会し、また、両国における劇的な変化をきっかけに、OHCHRの役割を綿密に計画することに役立つよう、エジプトとチュニジアへ各チームを派遣した。
国連チームは、エジプト政府高官から、いくつかの人権条約を批准し、特別報告者として知られる独立専門家を含む国連人権メカニズムとの関わりを増やすという表明を受けて、勇気づけられた。
国連チームのメンバーは、とりわけ、政党と新しい独立した労働組合の登録、及び、人権侵害の調査が行われていること、汚職事件の起訴の発表を歓迎した。
同時に、国連チームのメンバーは、エジプト当局は、エジプト国民が国家及びその機関を信頼するようになるためには、引き続き気を緩めてはならず、人権を完全に尊重することを保障しなければならない、と述べた。
また、国連チームのメンバーは、恣意的な逮捕と拘留が続いていること、拷問と虐待の申立て、並びに、表現の自由と集会の自由への制限を課す試みが報告されていることを、懸念をもって指摘した。
「これらの人権侵害の嫌疑を速やかに調査し、対処しなければならず、問題が再発しないように多大な努力が必要である」と、代表団は発言した。
移行期において可能な限り広汎な対話を保障することの重要性、および、今年中に予定されている選挙において自由と公平が保障されるシステムを実施することの重要性も、代表団は強調した。
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