(2010年8月31日) 国連の独立人権専門家は今日、ベトナムは過去20年間で貧困削減にかなりの進歩を見せているが、経済成長を続けるにあたり、誰も後に残されないようにさらに努力を重ねなければならない、と述べた。
人権と極度の貧困についての国連の独立専門家であるマグダレーナ・セピュルヴェーダ氏は、ベトナムへの9日間の訪問を終え、貧困問題は、単に家計所得を増大させれば解決できる純粋に経済的な問題と理解されるべきではないことを強調した。
首都ハノイでの記者会見で、彼女は、「効果的な貧困削減戦略は、ベトナムの全ての人が、全ての範囲の市民的、文化的、経済的、政治的そして社会的権利を享受しなければならないという大前提によって、形作られなければならない」と強調した。
彼女は、人権を保護する枠組みのもとでは、いかなる集団も地域も後に残されないよう、成長を確実に包括的なものにしなければならない、と述べた。
「重要な経済的成果にもかかわらず、マイノリティ集団の間では貧困がいまだに広がり、地域による大きな格差が残っている。」と彼女は述べ、まだベトナムの経済的な進歩の恩恵を受けられていない人々にも届くような革新的方法を実行するよう、政府に求めた。
セピュルヴェーダ氏は少数民族の間で貧困問題が深刻であることに特に懸念を表明した。このような人々の多くは孤立した地区に住み、社会サービスにアクセスすることが困難である。
文化の違いを認め、マイノリティ集団を受け入れることに対する障害を克服するように設計された政策がなければ、貧困問題は続く、と彼女は警告した。
彼女はベトナムが2011年から2012年までの間の社会保護プログラムを策定したことを歓迎しつつ、「効果を発揮するためには、この政策は他の社会政策と統合し、かつ資金を十分に供給して、包括的に行われなければならない」と述べた。
彼女はまた、もし給付水準が、貧困の支配から人々を救うのに十分でない以上、社会援助政策にいっそう力を入れるよう当局に求めた。
「無料の健康保険カードと教育助成金の支給対象を広げる努力がなされていることは評価に値するが、人々の受ける給付の大半が、医療や教育の利用料を通じて再び取り上げられてしまっている。」
セピュルヴェーダ氏はまた、政策が確実に効果的で持続可能なものになるよう、極貧層が、自ら公共政策を立案し、実行し、評価する過程に参加することを求めている。
「政治の腐敗は、極貧層に特に甚大な被害を及ぼす。」と彼女は強調した。「政府は直ちに、他の仕組みとともに、効果的で利用しやすい申立ての仕組みを強化して実施し、情報へのアクセスを保障する適切な立法を採択しなければならない。」
訪問中に、彼女は副総理大臣のファム・ザー・キエム氏を含む政府高官と面会し、また、バックカム、ハノイとクアンナムで貧しいコミュニティを訪問した。
チリの法律家であるセピュルヴェーダ氏は、2008年5月に現職に任命され、無報酬の立場で、ジュネーヴに本部を置く人権理事会に報告している。
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