【世界の人権・インド】 2010/01/20  国連の人権専門家、ニューデリーのホームレスの悲惨な状況に警鐘を鳴らす

2010120 ニューヨーク

本日、国連の独立人権専門家は、寒波によるインドの首都でのホームレスの人々の死亡に対して、懸念を表明し、過酷な天候から彼らを保護するための適切なシェルターの必要性を強調した。


 
「インドの何百人ものホームレスの人々の生命が、0度近くの気温の中で危機にさらされている」と、適切な住居の権利に関する特別報告者ラケル・ロルニック氏は述べた。

 

ニューデリーでは先月10人のホームレスの生命が失われ、その間、インド北部では過去数週間にわたっての凍てつく寒さのために約100人の人々が死んだと報じられている。

 

2007年以降、インドにおけるホームレスの人々の数は増加しているが、ニューデリーでは彼らのためのシェルターの数は46から24に減っている、とロルニック氏は指摘した。


 
今年の「コモンウェルスゲームズ(英連邦総合競技大会)」開催が、ニューデリーにおけるシェルター閉鎖の要因となったものと見られ、当局により、酷寒の天候にもかかわらず、ホームレスの人々の立ち退きや、彼らの住んでいた場所の取り壊しが行われた。

 

先月末、デリー市公社は、プーサ・ロードの臨時夜間シェルターを撤去し、250人の人々がシェルターを失い、その結果、2人が死亡したと伝えられている。シェルターの即時復旧と退去させられた家族の保護を命じるデリー高等裁判所の17日の命令にもかかわらず、当局は彼らに対する援助をまだ行っていない。

 

また、コモンウェルスゲームズの建設作業員やダリット(いわゆる「不可触民」)の家族が多く住んでいるプル・ミターイで、さらに400人の人々がシェルターとして使っていた区域からの立ち退きにあった。

 

ジュネーブに本拠を置く人権理事会に報告を行うロルニック氏は、デリー高等裁判所の判断を歓迎し、当局に対して、「人道的な理由により、ホームレス・シェルターの取り壊しを中止し、影響を被った人々に即時の支援と適切なシェルターを提供し、冬季にホームレスの人々の立ち退きを行わないこと」を強く求めた。

 

“UN RIGHTS EXPERT SOUNDS ALARM ON DIRE SITUATION OF NEW DELHI‘ S HOMELESS”

http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=33528&Cr=india&Cr1