(*)HRNでは基本的には「ビルマ」の呼称を使用しつつ、国連ニュースや国連関係文書の翻訳・紹介の際には、原文の用法に従い「ミャンマー」と表記しています
(2010年10月21日) 本日、国連の独立人権専門家の1人は、ミャンマーで、20年ぶりに予定されている選挙プロセスに「深刻な欠陥がある」と失望を示し、ノーベル平和賞受賞者であるアウン・サン・スー・チー氏を含む、すべての良心の囚人を解放することを強く求めた。
ミャンマーの人権状況に関する国連特別報告者トマス・オヘア・キンタナ氏は、本日、ニューヨークで記者に対し、「総選挙の条件は、現在の状況では限定的なものである。」と述べ、選挙が意義のある変化をもたらす可能性を持つかは不確実なままであると付け加えた。
同氏は、「私は、ミャンマー政府は国際社会に対し、真の選挙を行う責任に関する強いシグナルを送る必要があると考えており、良心の囚人の無条件かつ即時の解放はそのようなシグナルとなるだろう」と述べた。
昨日、同氏は、独立後60年以上の中で、たった3度目の複数政党選挙となる、11月7日の歴史的な選挙に焦点を当てた報告書を国連総会に提出した。
同氏は192の加盟国から構成される国連総会に対し、「選挙法の実施を通じて表現・集会の自由がさらに制限されており、その一方で、政党の登録要件と候補者登録の高い費用は、政府の支持を受けていない政党には障害となっている」と報告した。
キンタナ氏は、このプロセスが(様々な人々を)包含するものでないのは明らかである、と強調した。
同氏は、「政府は、選挙がミャンマーの民主主義への移行の1ステップに過ぎないことを正しく指摘している。われわれは、真の国民和解と人権を保護し促進する責任が、実際のどのような過渡期でも必要であることを思い起こさなければならない。」と述べた。
独立かつ無報酬で任務を務めている同報告者は、今回の移行の場面において正義と説明責任が果たす重要な役割を強調した。
同氏は、「われわれは、それが平和と安定をもたらすのだという誤った考えにより、正義を犠牲にした不完全な移行のあまりに多すぎる事例を世界中で見てきた。今こそ、ミャンマーで何十年もの間起きている広範かつ組織的な人権侵害を終わらせるときである。」と述べた。
2008年5月に今の地位を引き受けて以来、キンタナ氏はミャンマーを3回訪問し、良心の囚人と上級高官、司法当局関係者に面会した。
同氏は、8月の同国訪問の最後の要請が認められなかったことに遺憾の意を示した。「私は、同国の訪問を通じた、当局やその他の利害関係者との直接の対話が私の職務の遂行に不可欠であると強く信じている」と述べた。
“UN rights expert calls
http://www.un.org/apps//news/story.asp?NewsID=36532&Cr=myanmar&Cr1=