(*)HRNでは基本的には「ビルマ」の呼称を使用しつつ、国連ニュースや国連関係文書の翻訳・紹介の際には、原文の用法に従い「ミャンマー」と表記しています。
(2007年12月7日)
数ヶ月前、ミャンマー政府は平和的抗議者を弾圧したが、そのとき犠牲となった死者の数は少なくとも31人で、政府発表より16人多いと、国連の独立人権専門家は述べた。
「殺害についての複数の報告により、政府の数字は現実をひどく過小評価しているかもしれないことが示されている。」と、パウロ・セルジオ・ピネイロ氏は、ジュネーブの国連人権理事会で翌火曜日に発表される報告書の中で、述べている。
ミャンマーの人権状況に関する国連特別報告者ピネイロ氏は、政府による弾圧の最中に起きた暴虐の疑惑を検証し、拘束または殺害された人々の数や所在を確かめ、何が起こったのかという証言を集めるために、同国政府の招聘でミャンマーを訪問した。
「信頼すべき目撃者の報告」によれば、ヤンゴンの9月の抗議行動で、日本人写真家を含む30人以上が死亡しており、治安部隊が平和的なデモ参加者に対応するのに使用した、死に至らしめる武力は「不必要で不適切」であったと、ピネイロ氏は述べている。
また同報告書で特別報告者が述べていることには、9月と10月に3,000人から4,000人が逮捕され、500人から1,000人がいまだに拘留されている。さらに、抗議行動以前に拘束された1,150人の政治犯も釈放されていない。多くの拘留者は、デモ弾圧の際に、あるいは治安部隊または取締機関でない当局職員の夜襲によって、逮捕されたものだ。
特に懸念の対象となっているのは、「大規模な非公式の拘留施設が使用されているという話が、多数あることである。それらの施設は政府非公認で、『秘密』施設と見なされている。」 そして拘留者には子どもや妊婦も含まれているとピネイロ氏は述べている。
ピネイロ氏は少なくとも74件の強制失踪を確認しており、多数の死体焼却の疑惑について「きわめて憂慮している。」と述べた。
さらに、ミャンマーのテイン・セイン首相が、11月初め、ミャンマー問題に関する国連事務総長特別顧問イブラハム・ガンバリ氏に、もう逮捕者は出さないと保証したにもかかわらず、新たに政治活動家が逮捕されていることを、ピネイロ氏は非難している。
ピネイロ氏は、彼の報告書と被害者のリスト(政府当局が発表した15人に加えて、653人の拘留者、74人の失踪者、16人の殺人被害者の名が挙がっている)をミャンマー政府に渡し、コメントを求めている。
平和的な集会や政治信条を平和的な形で表現したことで拘束されたすべての人々を無条件で解放すること、拘留者や行方不明者の所在を明らかにすること、死亡者の遺体を家族に返し、適切に埋葬できるようにすること、赤十字職員がすべての拘留者とただちに接触できるように確保することなど、多くの措置を、ピネイロ氏はミャンマー政府に対し、勧告している。
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http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=24976&Cr=myanmar&Cr1=&Kw1=Myanmar&Kw2=&Kw3=