(2010年2月18日 ニューヨーク)
ミャンマー(※ビルマ)・カンボジア・ラオスからタイに来ている多数の移民労働者に対し、タイ政府が国籍証明手続を進めた場合、強制送還の恐れに遭う、と国連の独立人権専門家は本日警告した。
1月、タイ政府内閣は、タイにいるおよそ130万人の移民が、個人の出身地に関する情報を母国政府に2010年2月28日までに提出する意思があることを条件として、彼らの就労許可を2年間延長することを認める決定を採択した。
しかし、この2月28日の締め切りまでに手続きができなかった移民は、その後強制送還される恐れがある。移民の人権に関する国連専門家ホルヘ・A・ブスタマンテ氏は、ニュースリリースの中で、現行の証明手続を実行すれば、記録のある移民労働者もそうでない移民労働者も、その多数が、2月28日以降、強制送還の危険にさらされると述べた。
ジュネーブの人権理事会に報告をした同専門家は、「私は、タイ政府が、私の送った自制を求めた書簡に何の反応も示さなかったことに落胆している」と語った。
彼は「タイ政府が自らの行動と決定を再検討するように、また国際基準を遵守するようにという従来の私からのメッセージを改めて伝えます。」と付け加えた。「もし同手続が継続すれば、大量の移民が国外追放になる恐れのために前例のない苦しみを受け、タイ政府が基本的人権を遵守する義務に違反することになることは間違いないでしょう。」
ブスタマンテ氏は、ノン・ルフールマンの原則を尊重するようタイに要求し、強制送還される可能性のある人びとの中には、国際的な保護が必要である可能性があり、母国に送還されるべきではない人びとがいることを指摘した。
他のすべての国連の人権専門家と同様、ブスタマンテ氏は無報酬で独立の立場から職務を行なっている。
(*)HRNでは基本的には「ビルマ」の呼称を使用しつつ、国連ニュースや国連関係文書の翻訳・紹介の際には、原文の用法に従い「ミャンマー」と表記しています
“INDEPENDENT UN EXPERT WARNS OF THREAT OF MASS DEPORTATIONS FROM
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=33806&Cr=migrant&Cr1=