国際人権NGOヒューマンライツ・ナウは、2026年2月28日以降続いている米国とイスラエル政府によるイランに対する武力紛争の開始と大規模な軍事攻撃に強く抗議する声明を公表しました。
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米国とイスラエルによるイランに対する大規模な軍事攻撃に対する抗議声明
ヒューマンライツ・ナウは、2026年2月28日以降続いている米国とイスラエル政府によるイランに対する武力紛争の開始と大規模な軍事攻撃に強く抗議する。
米国らの攻撃は、加盟国による他国への武力行使を明確に禁じている国連憲章第2条第4項に違反する。国連憲章における武力行使禁止原則の例外は憲章第7章に基づく安全保障理事会の決議による場合と、憲章第51条に基づき「加盟国に対する武力攻撃が発生した場合」に個別的又は集団的自衛権の行使が認められる場合の2つのみであるが、今回の攻撃はこのいずれの場合にも妥当しない。
イランでは、長きにわたり市民の自由が弾圧され、2026年1月には全土に広がった抗議活動への弾圧により、数千人の死者および逮捕者が出たとされる 。しかし、こうした事情は米国らによる先制攻撃を正当化するものではない。また、米国は「イランが核兵器を保有すれば世界に深刻な脅威となる」と攻撃を正当化するが 、そもそも米国等の核保有国こそが、世界を核戦争の脅威にさらしてきた。加えて、2月26日までイランは米国との核開発問題を巡る政府高官協議に参加し、両国は交渉継続で合意していたのであり、先制攻撃は何ら正当化できない。
今回の攻撃は挑発行為ではなく、事前の警告も公的な議論もないまま、米国とイスラエルのそれぞれの議会による事前の承認もなく行われた。攻撃は広範囲に及び、イラン国内の少なくとも14の都市や地域にまたがる数十カ所の施設を標的としており、民間人が集中する都市部も含まれていた 。攻撃による民間人の死亡については既に複数の報道があり、イスラエル軍による2つの学校への攻撃、ミナブ市の女子小学校への3回のミサイル攻撃で少なくとも148人が死亡し、多数の児童が死亡したこと、首都テヘラン東部の別の学校で少なくとも2人の生徒が死亡したことなどが報じられている。イラン赤新月社は、攻撃による死亡者数が3月1日正午現在で少なくとも201人、負傷者数が747人に達したと報告している 。
さらに、イスラエル軍の違法な標的攻撃による暗殺の結果、イランの指導者アリー・ハメネイ師、革命防衛隊司令官モハンマド・パクプール将軍、アリー・シャムハーニー治安顧問、アジズ・ナシルザデ国防相など、約40人のイラン政府関係者が死亡したと報じられている 。
イランは、これらの攻撃への報復として、既にイスラエル、ヨルダン、クウェート、カタール、バーレーン、アラブ首長国連邦、オマーンの施設を攻撃したと報じられている 。また、ドバイとアブダビの空港への攻撃では、1人が死亡、11人が負傷するなど、民間人の犠牲も報告されている 。
ヒューマンライツ・ナウは民間人、民間施設、民間施設への攻撃、そして民間人や民間施設に損害を与える不均衡な武力行使を非難する。そして、すべての紛争当事国に対し、敵対行為と軍事行動を直ちに停止し、紛争の平和的解決に立ち返るよう求める。



