【国際人権先例・CCPR】2006/No.1451 オランダ

Gangadin v  Netherlands

通報日

見解採択日

文書発行日

通報番号

12/01/1998

26/03/2007

04/04/2007

No.1451/2006

全文

http://www.unhchr.ch/tbs/doc.nsf/(Symbol)/0194ebeb3fe36fbac12572d6004c26c3?Opendocument

手続上の論点 

 

実体上の論点

裁判の公正(14条)、平等原則(26条)

通報者の主張

通報者ガンガディン氏は国籍・出生日不詳、オランダ在住。2件について、あわせて不服を申立てている。902月、通報者は隣人によって、車に損傷を受けたので、賠償請求手続を開始し、G氏の証言を提出した。後にG氏はその隣人から賄賂を受け、虚偽の証言をしたため、賠償請求は認められなかった。それが偽証であったというG氏の供述を、92年通報者は提出するが、G氏がそれを否定したために、逆に通報者が、虚偽の供述を理由に起訴された。95年、ユトレヒト地方裁判所は、2000NFLの罰金と2ヶ月の条件付き禁固刑の判決を言い渡した。ただちに通報者は、当該隣人とG氏の訴追命令を上訴裁判所に申請したが、96年却下された。98年ガンガディン氏は、上訴裁判所によって2ヶ月の禁固刑に減刑され、一方、訴追命令の申請は99年最高裁判所で却下された。

第2は、G氏が通報者から5000NFLを借り入れたとされ、それを虚偽であるとして告発した事件である。それを不服とした通報者が、G氏を告発した。検察官は通報者の主張を退けた。民事訴訟を起こすことはできたが、捜査によって訴えは退けられた。

97年、ヨーロッパ人権委員会は通報者の件について、何らヨーロッパ人権条約違反が認められないと判断した。

上訴裁判所は2回にわたって、通報者の訴えを退け、逆に通報者を起訴した。14条、26条に定める法と裁判所における公平と平等原則に違反する。上述の隣人の義父は警察官で、捜査は偏っていた。96年より、放火、「殺戮未遂」、複数回の車への損傷など被害にあったが、警察は適切な捜査をしなかった。通報者についての「否定的な情報」が、転居しても着いて回り、妨害してきた。

当事国の主張

 (なし)

委員会の見解

規約が定める平等とは、同等にするということではなく、合理的客観的根拠に基づいて、判断するという意味である。通報者は、上訴裁判所の決定が、事実の査定に基づくものでない、或いは、合理的客観的根拠に寄らずになされたものであると、具体的に示していない。よって14条、26条違反の訴えは、受理不可能である。

その他の主張についても、規約に照らして、十分に具体的でないので、同様に受理不可能。