Karimov and Nursatov v Tajikistan |
||||||
通報日 |
見解採択日 |
文書発行日 |
通報番号 |
|||
|
|
|
No.1108 /2002, 1121/2002 |
|||
全文 |
http://www.unhchr.ch/tbs/doc.nsf/(Symbol)/2d2e0db89e79b3dbc12572ce0045b0c8?Opendocument |
|||||
手続上の論点 |
国内的救済手段を尽くしていないこと(OP第5条2項(a)) |
|||||
実体上の論点 |
死刑判決の適正手続きの保障(6条2項)、拷問の禁止(7条)、自白強要の禁止(14条3項(g))、逮捕の適正手続きの保障(9条1項)、被疑内容の告知義務(9条2項)、被勾留者の権利(10条)、裁判の独立・公正(14条1項)、推定無罪の原則(14条2項)、適正な弁護人を得る権利(14条3項(b)(d))、防御の機会の均等(14条3項(e)) |
|||||
通報者の主張 |
2001年4月、タジキスタンの内務副大臣が、運転手とボディガード2人とともに暗殺され、7人が逮捕された。通報者Karimov氏は逮捕者の1人の父親で、Nursatov氏は逮捕者の1人の兄弟かつ、2人の従兄弟という立場で委員会に通報した。 通報者らによれば、本件逮捕は恣意的であり(9条)、十分な食事も与えられず、長時間の取り調べを受ける等、不当な扱いを受けた。更に、長期に及ぶ勾留中、家族の差し入れも届けられず (10条)、殴打、電気ショックなどの拷問を受け、自白を強要された(7条、14条3項(g))。また、選任された弁護士が立ち会わなかったり、そもそも、弁護人選任権があることを知らされないケースがあった(14条3項(b)(d))。 公判においては、自白の撤回が認められず(14条1項、2項)、4人が暗殺の日は別の地域にいたという複数の証言があるのに (14条3項(e))、2002年3月と4月にそれぞれ死刑判決が確定した(6条)。なお、4名は、公判中手錠をはめたままで、鉄の檻に入れられていた。 |
|||||
当事国の主張 |
反政府勢力の武装解除に励んでいた副大臣がターゲットになった。刑罰は法に従って確定している。自白の強要は認められない。医師の検査で拷問の痕跡は見つからなかった。(以上がK氏の通報に対する反論である。) N氏の通報については、数回に渡る委員会の要請にも拘わらず、返答を得られなかった。なお03年と04年に死刑から25年の懲役に減刑している。 |
|||||
委員会の見解 |
1) 許容性について 9条1項2項については、公判で十分に主張したことが示されていないので、受理不可能。14条1項、3項(e)も、裁判所が公正でなかったことが具体的に示されてないので、受理不可能。その他については、受理可能。 2) 本案について ・7条、14条3項(g)違反については、取り調べ官の人名も挙がっている等、内容が具体的で、公判でも十分主張されている一方で、当事国はN氏への反論を提出していない。 ・10条、14条2項違反については、当事国の反論がない。 ・14条3項(b)(d)については、死刑にかかわるときは特に、審理のすべての段階で弁護士が必要であるのに、与えられなかった。 よって以上の各条項について、違反が認められる。さらに、これらの違反の上に死刑判決が出された点について、6条2項違反も認められる。 |
|||||
人権が大切にされる未来をつくる一歩として、
是非、みなさまの力をお貸しください。
ご協力・ご支援を、よろしくお願いいたします。
是非、みなさまの力をお貸しください。
ご協力・ご支援を、よろしくお願いいたします。