ヒューマンライツ・ナウ(HRN)は2018年10月19日、20日の2日間に渡り、「ヒューマンライツ・ナウ アカデミー」を開催しました。ご参加頂いた皆様、ありがとうございました。
1日目は、国際人権法の発展に関して、青山学院大学教授でありHRN理事長の申惠丰氏に講義をして頂きました。国際人権法がどのように発展してきたかなど、人権法に関する基礎を説明して頂きました。特に、国際法というどこか遠くの存在に感じられるものが、私達の社会へいかに影響を与えうるのか、判決などの事例を用いながら教えてくださいました。
そして次に、HRNの伊藤和子事務局長より、女性差別や女性の人権に関して講義を行いました。女性差別撤廃条約の問題点として、女性に対する暴力の規定がごっそりぬけているという指摘にはじまり、北京女性会議での女性たちの結束や近年話題になっている#MeToo運動や伊藤詩織さんの活動についても説明がありました。
2日目は、弁護士の須田洋平氏による国連人権のメカニズムとNGOの役割についての講義から始まりました。各国による国際人権法の履行を確保する際に、国連機関のモニタリングシステム、各人権条約委員会の役割、そして様々な場面において重要な役割を担っているNGOなどの市民社会の役割について、体系的に学ぶ講義となりました。
次に、DPI日本会議事務局の崔栄繁氏より、障害者権利条約や障害者差別解消法についてお話を頂きました。日本社会における障がい者に関する法的な課題の説明、そして、「合理的配慮」に基づく、障がいのある人とそうでない人が同じように活動できるよう、状況に応じた柔軟な対応の重要性について教えて下さいました。
また、世田谷区議会議員の上川あや氏より、いかにLBGT施策を実現することができたのか、実体験に基づくお話をして頂きました。自身が性的マイノリティーであることを公言してから公選されるまでの日々や、性同一性障害特例法成立の舞台裏について、多彩なエピソードと共に説明して頂きました。
最後の講義では、HRNビジネスと人権チームの弁護士・佐藤暁子氏による「ビジネスと人権」についての講義でした。「国連ビジネスと人権に関する指導原則」を基に、企業が人権に与える影響力と、企業が人権問題に取り組む責任について説明して頂きました。そして、HRNが実際にかかわった事例を用いて、いかに企業が関与した人権問題を解決するためのアドボカシー活動を行うことができるのか、受講者とともに実践的なワークショップを行いました。
最後に、2日間参加していただいた方に、ヒューマンライツ・ナウアカデミー修了証書を授与して、イベントは幕を閉じました。
以下プログラム:
<1日目>
17:00-17:15 イントロダクション
本プログラムの概要説明、参加者自己紹介。本プログラムで期待すること・抱負の共有など。
17:15-19:15 国際人権法の発展とそのインパクト―日本でどう活用できるか
申惠丰氏(青山学院大学法学部教授/ヒューマンライツ・ナウ理事長)
19:25-21:00 #女性差別・女性の人権 #Metooサポーターになる。
伊藤和子氏(弁護士/ヒューマンライツ・ナウ事務局長)
<2日目>
10:00-12:00 国連人権メカニズムとNGOの役割
須田洋平氏(弁護士)
13:00-14:50 障害者権利条約と国内法制度の整備ー障害者差別解消法を中心にー
崔栄繁氏(DPI日本会議事務局)
15:00~16:50 自治体発・LGBT施策の実現(仮題)
上川あや氏(世田谷区議会議員)
17:00~18:50 ビジネスと人権
佐藤暁子氏(弁護士/ヒューマンライツ・ナウ ビジネスと人権チーム)
19:00~19:20 クロージング
本プログラムの振り返り。最後に参加者全員に修了証書を授与。