【メディア】安保法制に対する国際共同声明 発表記者会見

 2015910日、参議院議員会館にて、HRNが参加するNGO非戦ネットによる「安保法制に対する国際共同声明発表記者会見」が開かれました。928日から99日の短い募集期間に国内外331団体の賛同が、世界36カ国から集まりました(9/10の〆切りまでの分)


日本語声明はこちら
英語声明はこちら

 記者会見には、HRNから事務局長伊藤和子が参加し、経過を説明。日本国際ボランティアセンターの谷山代表理事が声明を読み上げました。


記者会見の様子はこちらから見ていただくことが出来ます。
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/262986


 声明には、1947年にノーベル平和賞を受賞したAmerican Friends Service Committeeや、200団体以上が加盟するアフガニスタン最大のNGOネットワーク団体Afghan NGOs’ Coordination Bureauからも賛同がありました。他にも、途上国におけるプライマリヘルスケアのパイオニアであるデビッド・ワーナー氏のHealthWrightsや、自衛隊が過去に派兵されたこともあるイラクからも賛同の声が寄せられました。


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日本語と英語で用意された資料


 記者会見ではまずNGO非戦ネット呼びかけ人の伊藤和子(ヒューマンライツ・ナウ事務局長/弁護士)が国際共同声明の趣旨説明が行われました。

「10日間強、という短い間にこれだけの賛同が集まったのは、日本のNGOが憲法9条という精神に基づいて多様なネットワークを築いてきたからです。私たち日本のNGOへの期待、というだけでなくこれまで海外で一度も暴力的な手段に出ること無く、様々な形で平和に貢献してきた日本という国のあり方への信頼が現れたのだと思います。この声を受け止めてほしいと思います」


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記者会見の様子


 その後、NGO非戦ネット呼びかけ人谷山博史(日本国際ボランティアセンター(JVC)代表 / 国際協力NGOセンター(JANIC)理事長)が「国際共同声明」を読み上げました。また、日本国外から見たら安保法制をめぐる動きはどう見えるのか、をお二人のゲストにお話していただきました。

 国際共同声明賛同団体、ビルマ民主化ネットワーク代表:チョーチョーソーさんは祖国であるビルマの困難な状況を話したうえで、日本の現状に対して以下のように訴えました。

「なぜ、日本という国が世界から尊敬されているか。それは日本は70年ものあいだ、平和な国家だったからです。わたしは平和ではない国から来たこともあり、平和の大切さがよくわかります。安倍政権は安保法制とは違う選択肢はとれないのでしょうか。ビルマにはそもそも選択肢が無い。日本の人たちは様々な形で安保法制に対して反対の声をあげています。国民の声を聞くことこそが民主主義ではないのでしょうか」


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カレーズの会レシャード・カレッド医師 


 アフガニスタン出身で、カンダハルにて医療支援を続ける「カレーズの会」を主催するカレード・レシャード医師は、戦争で荒廃した祖国の現状を話したうえで、以下のように話しました。

 「アフガニスタンでは多くの国が活動をしていますが、その中で唯一日本だけが軍隊を送らず、医療・教育様々な分野で無償の活動を続けてきました。日本はアフガニスタンにおいて大変出世したアジアの兄貴分、として尊敬を集めています。(中略) なぜ、日本のNGOである我々がアフガニスタンで安全に活動を続けられるかというと、日本が平和な国として認知されているからにほかなりません。今や、アフガニスタンのような不安定な国々の平和のために日本にできることは東ティモールやカンボジアの経験を活かして対話の仲介に務めることであり、戦争に加担することではないと思います。それこそが日本の正しい役割であり、国連での理事国の地位を獲得するための手段であります。広島や長崎の被爆と惨事を経験した世界唯一国の日本がいつまでも第九条の精神を貫くことこそが世界の人々の目標となり、鏡となれることでしょう。どうか、日本人のこの優しい、友愛な心を失くさないでいただきたい」

 是非多くの方、そして国会議員にこの声を真摯に受け止めてもらいたいと思います。ヒューマンライツ・ナウでは引き続き安保法制および日本の海外の紛争における武力行使に反対する活動を続けていきます。