毎年8月に世界各国の若者がニューヨークの国連本部に集まり、国連ユース集会がおこなわれます。今年8月6日から8日の午前9時から午後5時まで開催されている国連ユース集会では、世界各国から約500人の若者が集まっています。ヒューマンライツ・ナウNYでは、国連ユース集会に合わせて、ユース集会のコーディネートを2009年からボランティアとして手伝っている打木希瑶子氏のご協力をいただき、ニューヨークのNGO関係者や活動家たちと日本からのユース集会参加者の交流会を昨日8月6日に共催しました。
今回参加した日本の若者はNYで生まれ育って日本語が苦手という高校生から、日本出身で現在はアメリカに住んでいるという大学生、日本の法学部出身でアメリカのロースクールに進む予定がある参加者の方など約17人のユースと、NGO関係者や芸術家、活動家など合わせて約25人が集まりました。
交流会では、平和・反核・人権・芸術・環境などの分野で活動する参加NGO団体による活動紹介が5分ずつ行われ、また8月6日ということで、平和や被ばく、福島での原発事故に関する勉強会を兼ねたものとなりました。
また、スペシャルゲストとして福島県双葉郡大熊町出身の木幡さんにスカイプ出演していただきました。木幡さんご夫妻は現在も会津若松の仮設住宅で生活しており、仮設住宅での生活の厳しさに苦しんでいるお年寄りの悩みや、福島のスーパーで出回っている県産の食材に対する不安から九州産を買い求めている若いお母さんのこと、いわきでボランティア医師によって行われている成人の甲状腺検査を受けた婦人会の仲間の検査結果のこと、がんを患っているけれど政府から援助がないというご自身のお話、木幡さんがボランティアをしている塾の子どもたちの話(大熊町出身者用の会津若松市内の学校に通う子たちの勉強に対するやる気の無さが顕著で、他の会津若松市の学校に通う子との学力の差がひろがっていること)、地域全体の健康に対する不安について、大熊町はいまだ線量が高く地域が荒れているにもかかわらず、町民を帰宅させようとしている町長さんのことなど、今まで他からは聞くことのできなかった貴重なお話をいただきました。参加者は、木幡さんのお話に赤い目を見開きながら時折メモをとり真剣に聞き入っていました。また質疑応答でも多くの質問があり、原発や放射能への関心の高さがうかがえました。
最後に一言訴えたいことはありませんかという問いに対し、木幡さんは、「大熊町は線量が高く帰宅が可能な状況ではないし危ない地域なんですよ、と日本でずいぶん言っているのですが中々聞いてもらえないので、海外から日本に訴えてほしい」と述べていました。
ヒューマンライツ・ナウでは、今後とも、原発事故後の人権問題に取り組んでまいります。どうぞご支援のほどをよろしくお願い致します。