特定非営利活動法人ヒューマンライツ・ナウは、核兵器禁止条約に関する声明を発表いたしました。
声明の全文(PDF)はこちらからご覧いただけます:【声明】核兵器禁止条約50か国批准を受けて
核兵器禁止条約50か国批准を受けて
2020年10月24日、核兵器禁止条約は発効に必要な50か国が批准をし、2021年1月に発効することとなった。
ヒューマンライツ・ナウは、長年にわたり尽力された被爆者の方々、日本そして世界のNGO,市民運動の努力に敬意を表し、この動きを歓迎する。
核兵器は人類と共存しえない非人道兵器である。その使用は多大な人命を一瞬にして奪い、人道上壊滅的な影響を人類にもたらすと同時に、地球環境への害悪も取り返しがつかない。このことを身をもって体験したのが広島、長崎であり、被爆者の方々である。
第二次世界大戦後の核不拡散条約は実効性がなく、核保有国は核軍縮義務を果たさずに核軍拡競争に走り、核拡散も進んだ。核不拡散体制では人類を核の脅威から救うことができないことは明白である。
そうした中、核兵器禁止条約は被爆者を含む多くの人の長年の悲願であり、発効は人類史的な意義がある。ヒューマンライツ・ナウは、核保有国を含むすべての国がこの条約を批准することを呼び掛ける。
唯一の被爆国である日本がこの歴史的な瞬間に参加しないのは被爆者の思いに背くものであり、日本政府は今こそ批准を真剣に再検討すべきである。
日本は唯一の被爆国としての道徳的権威を発揮し、核兵器禁止に向けて外交をリードする役割を果たすべきである。
禁止条約は製造、開発、貯蔵等も禁止しているが、日本の金融機関の多くは今も核兵器製造企業に投融資を行っている。日本の金融機関は、条約の発効要件が充足したことを受け、条約に真摯に向き合い、核兵器関連企業への投融資を停止すべきである。
以上