ヒューマンライツ・ナウは2011年2月28日付けで以下のステートメントを発表しました。
【リビアにおける重大な人権侵害に関する声明】
東京に本拠を置く国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ(HRN)は、リビアにおける深刻かつ組織的な人権侵害に重大な懸念を表明する。多くの信頼できる情報によれば、カダフィ大佐率いるリビア政権は、平和的な集会に参加した市民に対し、致死性のある武器を使用して、無差別攻撃・殺害を継続している。
国連の推計では、1000名もの市民がリビア現政権によって殺害されたとされ、多くの信頼できる報道・報告もこの推計を裏付けている。
HRNは、これらの重大な人権侵害を強く非難し、リビア現政権指導者に対し、人権侵害を即時中止するよう求める。
国連安全保障理事会はこの事態に対し、迅速な対応をとった。2月26日、安全保障理事会は、全会一致で決議を採択し、リビアに対する武器禁輸、トップリーダーに対する資金凍結・渡航禁止というターゲット制裁を決めるとともに、リビアに関する事態を国際刑事裁判所に付託した。
HRNは国際刑事裁判所に対し、安保理決議に基づき、人道に対する罪を含む国際犯罪に対する捜査をただちに開始するよう求める。人権理事会は、決議S-15/L1をコンセンサス採択し、そのなかには、リビアへの独立調査団派遣も呼びかけられている。悪化する情勢のなか、それぞれの任務を遂行するために、ICCの捜査および独立調査団による調査は、相互に協調・補完されるべきである。
HRNは、世界中の人権NGOとともに、国連総会決議(60/251国連人権理事会設置決議)に基づき、国連総会が、リビアの人権理事国としての資格を停止する総会決議をすみやかに採択するよう求める。
最後にHRNは、リビアに限らず、平和的なプロテストに直面したいかなる国家も、暴力その他の抑圧的手段を市民に用いることは許されないことを強調する。いかなる国家も、市民による集会、結社、表現の自由を尊重しなければならない。