【世界の人権・アフガニスタン】 2010/10/19 国連専門家が米国の軍事会社に対するさらなる監督を求める

20101019日) 国連の独立人権専門家のグループは、本日、民間軍事会社の役割と監督に関する最近の米国の報告書を歓迎しつつ、米国が、アフガニスタンや他の地域で活動する民間軍事会社に対する監督を強めることを求めた。

 

傭兵の使用に関する国連の作業部会の議長であるアレクサンダー・ニキティン氏は、「米国の上院軍事委員会による報告書の内容は、本年4月のアフガニスタン訪問後の国連専門家の報告と一致している」と述べた。


 
同氏は、「米国の調査は、米国政府がアフガニスタンで契約している民間軍事会社に対し適切な監督を行っていないことから生じている多くの問題を明らかにした」と述べた。

 

「いくつかの民間軍事会社は、特に効果的な審査手続が欠如しているために、過去に人権侵害に関与した可能性があり、それらの企業での雇用中も人権侵害に関わり続けていた人物を雇用した」とニキティン氏は述べた。

 

作業部会は、アフガニスタンへの訪問期間中に、軍閥の指導者であれ反政府勢力であれ、元の武装勢力が公認された民間軍事会社の従業員として登録することを防止する措置が、効果的に講じられていないことに気づいた。

 

組織的・効果的な審査と訓練の手続が欠如していることと、違反の際に適切な制裁がないことを踏まえ、国連専門家のグループは、アフガニスタンで民間軍事会社と契約している各国政府が適切な監督と説明責任のメカニズムを確立することを勧告した。

 

 また、昨年7月の米国訪問中、作業部会は、米国政府が、契約締結前におけるより厳格な審査手続を確立することを勧告した。ニキティン氏は、「アフガニスタンで直面した問題は、あらためて民間軍事会社に対する強い規制・監督のシステムの重要性と緊急の必要性を示している」と述べた。

 

同氏は、「米国の上院の報告書で論じられた事項はあまりに重要であり、企業の自主規制に委ねることはできない」と強調した。また、「民間会社による自発的な行動綱領は歓迎するが、国家機能を実施させるために各国が契約した民間軍事会社の活動を規制し監督すること、人権侵害に対処するために責任を明確化するメカニズムを確立することを確保するには、それだけでは不十分である」と付け加えた。

 

先月、作業部会は、民間軍事会社の規制に関する新しい条約の原案を、ジュネーブを拠点とする人権理事会に提出した。

 

ニキティン氏は、「軍事産業の自主規制の行動綱領は、ここ10年、効果的な説明責任を果たすことができずにいる。この点で、われわれは、多くの民間軍事会社が設立されている米国を含むすべての国家が、民間軍事会社への国際的な規制枠組みを作るために人権理事会が始めたプロセスに参加することを真剣に検討することを希望する。」と述べた。

 

この作業部会は、2005年に設立され、個人の資格で職務を行う5人の独立専門家からなる。メンバーは、アレクサンダー・ニキティン氏、アマダ・ベナヴィデス・デ・ペレス氏、ホセ・ルイス・ゴメス・デル・プラド氏、ナジャ・アルハジャジ氏、ファイザ・パテル氏である。

 

 Afghanistan: UN experts urge stepped-up supervision of US security contractors”

http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=36491&Cr=afghanistan&Cr1=&Kw1=afghanistan&Kw2=&Kw3=