(2008年2月7日 ニューヨーク)
大量殺戮やその他の犯罪の責任を問われているクメール・ルージュ指導者たちを裁く国連支援の裁判所は、30年以上前に起きた犯罪に関してカンボジア人から申し立てられた500件以上の告訴を、現在、処理し、これに対応している最中である。
2006年7月から実務を開始したカンボジア裁判所特別法廷(ECCC)が、これらの告訴の申立てを受けたのは、そのほとんどが、昨年10月以降である。
こうした告訴のほとんどは、人々が裁判所のプロセスに参加する権利があることを、市民社会の各団体の取組みによって、知るようになり、そうした人々によってなされたものである。
同特別法廷(ECCC)の共同検察官の1人、ロバート・ペティットは、「被害者からもたらされる情報は、我々の仕事の成功にとって不可欠のものだ。」と述べている。「これほど多くの人が申し出て、告訴状を提出していることは法廷にとって幸運だ。なぜなら、これによって我々は捜査の仕事をする際の多くの情報を得ている。」
告訴状は、すべてスキャンされ、処理され、分析される。そして、捜査判事(予審判事)が現在行っている捜査に使われるために、彼らに送られることになる。
共同検察官は、これらの告訴が、新しい(被疑事実の)捜査の根拠となるか否かを決定することになる。
告訴状に情報が欠けている場合には、告訴状を提出した人々にその不足を補ってもらうために裁判所が連絡を取ることになる。現時点で、500以上の告訴の5分の1について、何らかの重要な情報が欠けている状態にある。
「カンボジア裁判所特別法廷(ECCC)は、国際刑事法の歴史の中で、その手続に被害者が完全な参加をする機会を提供している最初の裁判所であり、裁判所で働く全ての者が、この参加が被害者にとって確かに意義あるものとなるように懸命に取り組んでいる。」と、被害者ユニットのガブリエラ・ゴンザレス・リバス次長は述べた。
彼女は、それぞれの告訴状に対して、「注意深く、それに相応しい個別の注意を払う」ことが、同特別法廷(ECCC)にとって極めて重要であると付け加えた。
国連とカンボジアによって署名された協定に基づいて、同特別法廷(ECCC)は、カンボジア人のスタッフ及び判事と、外国人職員とで混成される中立の裁判所として設置された。同裁判所は、1975年4月17日から1979年1月6日の間に行われたカンボジア法及び国際法上の犯罪及び重大な違反について最も責任があると認められる者たちを裁くことを任務としている。
“UN-BACKED TRIBUNAL PROCESSING OVER 500 KHMER ROUGE VICTIMS’ COMPLAINTS”
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=25544&Cr=cambodia&Cr1