(2009年9月15日)
今年の初めのガザ紛争に関する国連事実調査団は、イスラエル軍とパレスチナ武装集団の双方が、深刻な戦争犯罪及び人道に対する罪に相当する可能性のある人道法違反を犯したことを示す証拠を発見した。
「我々は、我々の調査により発見された事実に基づき、イスラエルによって、ガザ地区におけるその軍事行動の間、幾多の深刻な国際人道法および国際人権法の違反行為が犯されたことを証明する確固たる証拠がある、という結論に達した。」と、調査団代表のリチャード・ゴールドストーン判事は、本日、記者会見において述べた。
「調査団は、イスラエル国防軍(IDF)によって、戦争犯罪に相当する行為、そして、いくつかの点で、人道に対する罪に該当する可能性のある行為が実行されたという結論を下した。」
「(ガザ地区の武装集団による)ロケット弾と迫撃砲の発射が、計画的で、民間人(文民)を殺害・負傷させ、かつ民間の建造物を破壊させるために意図的に行われたものであることに疑いの余地がない。調査団は、これらの行為も、深刻な戦争犯罪に相当し、場合によっては、人道に対する罪に相当すると認定した」と彼は述べた。4名の調査団による575頁の報告書が、9月29日のジュネーブでの国連人権理事会でのプレゼンテーションに先立ち、本日、発表された。
「調査団は、イスラエル軍の行為は、故意による殺人と、被保護者(protected person)に故意に重い苦痛を与えたという点で、それ自体で個人の刑事責任が生じるような、ジュネーブ第4条約の重大な違反行為に該当すると認める。」と同報告書の要旨で述べられている。「パレスチナの民間人を直接攻撃の目標としたこと、恣意的に殺害したことは、生命に対する権利の侵害であると認める。」
イスラエルの軍事作戦における目的と戦略について、調査団は、軍事参謀らは意図的に「均衡原則に反した攻撃を実行し、民間人の財産と生活基盤に対する甚大な損害と破壊、民間人への苦痛を与える」ことになる方針に従っていた、と結論を下した。
ガザ地区からの迫撃砲攻撃について、調査団は、民間人に対する無差別かつ計画的な攻撃であり、「戦争犯罪を構成するであろうもので、かつ、人道に対する罪に相当する可能性もある」と結論付けた。そして、彼らの明らかな意図がイスラエル民間人に恐怖心を蔓延させることにあり、国際法違反に該当すると続けた。
安全保障理事会は、イスラエルに対し、申し立てられた犯罪行為につき、国際基準に合致した、独立かつ適切な調査を開始するための措置を講じ、6ヶ月以内に安全保障理事会にこれらの調査につき報告することを要求すべきだ、と報告書は勧告した。
さらに、報告書は、安全保障理事会に対し、イスラエル政府による手続を監視するために、専門家による委員会を設立するよう求めた。報告書は、もし調査手続などが実行されず、または、調査に独立性がなく国際基準に合わない場合には、安全保障理事会が国際刑事裁判所(ICC)の検察官に、ガザの状況を付託することを求めた。
また、報告書は、安全保障理事会に対し、パレスチナ関係当局に関しても専門家委員会に同様の役割を果たすよう要求することを求めた。、
ゴールドストーン判事は、今日の記者会見において、調査団は、ガザ地区におけるイスラエルの軍事行動の中で発生した36の事件について、戦闘が最も激しいとき下された判断に関連せず、計画的な方策の採用と決定に関連するものであり、これらを調査したと述べた。
例として、彼はある事件について述べた。ガザにある、礼拝中のモスクに対する迫撃砲攻撃で、集会参加者のうち15人が死亡し、多数の負傷者が発生した。ゴールドストーン判事は、仮にモスクが武装集団の庇護に用いられ、武器が保管されているという主張が真実だとしても、「礼拝中のモスクを迫撃砲攻撃するという行為に、国際人道法上の正当性は認められない。」、なぜなら、民間人に利用されていない夜間に攻撃するという方法を選択し得たからである、と述べた。
ゴールドストーン判事は、報告書は調査団員4名全員の一致した見解を反映したものであると付け加えて述べた。調査団のその他メンバーとは、ロンドン大学のロンドンスクール・オブ・エコノミクス・アンド・ポリティカルサイエンス(ロンドン大学LSE校)の国際法教授であるクリスティン・チンキン氏、パキスタン最高裁判所の法廷弁護士であり、(前)人権の守り手(人権擁護者)に関する国連事務総長特別代表であったヒナ・ジラニ氏、および退役大佐で国際刑事調査機関(IICI)の理事である、デズモンド・トラヴァース氏である。
“UN mission finds evidence of war crimes by both sides in
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=32057&Cr=palestin&Cr1