国際人権NGOヒューマンライツ・ナウは、2026年10月16日、下記の共同記者会見を開催することになりました。報道機関・メディア関係者のみなさまへ取材報道のご協力をお願い申し上げます。
_______________________________________________
緊急オンライン記者会見のご案内
米・トランプ政権によるICC本体制裁決定を受けたNGO共同会見
―日本政府、国際社会、そして日本社会に求められる役割とは―
マルコ・ルビオ米国務長官は2026年10月9日(*1)、ICC(国際刑事裁判所)への制裁を科すと発表しました。この問題を受け、日本政府が果たすべき役割を訴えるとともに、国際社会と日本社会の役割について考えるオンライン会見をNGO共同で開催します。
| 会見の内容:
④日本社会が果たせる役割 日時: 2026年10月16日(金)午前10:30-11:30 登壇者(一部調整中): 上松健太郎 (弁護士、JIRoL(Japan International Rule of Law network)) 主催:JIRoL、ヒューマンライツ・ナウ、ヒューマン・ライツ・ウォッチ 参加申込先:https://forms.gle/mLMTnUShmFXK4geT8
本件に関する連絡先: |
1 国際刑事裁判所(ICC)は、世界初の常設の国際刑事法廷です。国際社会において戦争犯罪等の重大な犯罪を犯したことが疑われる個人を対象に、ローマ規程という条約に基づいて、個人の刑事責任を捜査し訴追します。ICCの所長は日本人の赤根智子氏。日本はこれまで3名のICC裁判官を輩出するなど主要な締約国であり、ICCを守るためのリーダーシップを発揮することが求められます。
2 米・トランプ大統領は大統領就任間もない昨年2月6日、ICC職員やその活動を支援する人々や団体の資産凍結と入国禁止を認める大統領令に署名しました。その後、ICCの検察官、赤根所長を含むICC裁判官9人、パレスチナの著名な人権団体3団体、さらには国連の被占領パレスチナ地域人権状況特別報告者に制裁を科すとともに、ICC締約国に対してICCから脱退するよう呼びかけてきました。そして、ついに、2026年10月9日、ICC本体への組織制裁を科すと発表しました。
ICC関連の一連の制裁の目的は、米国・イスラエルの当局者がICCで裁かれることからかばうためです。米国ルビオ長官は10月9日の発表で、今回の制裁は米国民をICCによる捜査と訴追から守るためと述べました。ICCは、ガザでの重大犯罪を理由に、イスラエルのネタニヤフ首相とガラント前国防相に対して逮捕状を発付していますが、トランプ政権はこれまで、パレスチナでのイスラエル国民の行為に対するICCの捜査(*2)に強く反発してきました。
米国の制裁は、ICC本体を含む制裁対象者に対し、深刻な影響(*3)を及ぼします。また、パレスチナからウクライナ、ミャンマー、スーダンに至る世界各地(*4)の重大な人権侵害の被害者が裁きを求める権利を脅やかします。
3 日本政府は、「ICCを一貫して支持」すると表明しています。また、今年8月の赤根智子所長制裁に対しては、「大変残念(very unfortunate)」「日本の立場と相いれず、深刻に受け止めている」等の表明がありました。
今回のICC本体制裁を受け、高市早苗首相は、同年10月9日、「日本の立場と相容れるものではなく、深く懸念」と表明しました。また、日本政府は、ICCへの「継続的かつ揺るぎない支持」を強調するとともに制裁について「遺憾で、強く反対する」と表明した8か国外相声明に加わりました。
日本政府の「ICCを一貫して支持」するとの動きに関しては、先月21日には茂木外務大臣がルビオ国務長官に対し、そして同月23日未明には高市首相がトランプ大統領に対し、各会談でICC制裁めぐり意見交換をしたと報道されており、高市首相は「先般の日米首脳会談でも一致したように、ルビオ国務長官と茂木外務大臣で意思疎通を行うことにしており、今後も続けていきます」としています。
ICCのあるオランダを含む他のICC締約国も、米国との対話を継続する意向を示しています。しかし、こうした対話においては、原則を堅持することが極めて重要です。対話は、ICCへの支持を表明し、ICCを対象とする制裁への反対を明確に伝えることに重点を置くべきです。トランプ政権との「妥協」を模索するあまり、たとえ間接的であっても、ICCの裁判・検察活動の独立性に圧力をかける結果となってはなりません。
高市首相そして茂木外務大臣は、ICCを一貫して支持するため、あらゆる機会と影響力を最大限活用して米国に働きかけるとともに、世界各国にも働きかけて米国の制裁の影響に対抗することができます。日本政府として、ICCのために果たせる役割があります。
4 また、ICCやICCが基礎とする法の支配の理念を守るため、日本社会にできることもあるはずです。先日の赤根所長個人に対する制裁を受けて呼びかけられた署名に対しては、17万筆を超える(2026年10月9日時点)の署名が寄せられました。この署名は、2026年10月1日には、日本政府の尾﨑正直内閣官房副長官本人に手交されました。
5 本会見では、重大な国際犯罪に対する正義(ジャスティス)実現及び法の支配のための最後の砦であるICCを守るために日本政府に求められる重要な役割や日本社会が果たせる役割などについてNGOの要請内容を明らかにするとともに、ICCそして米国制裁について国際刑事司法の専門家である藤井広重准教授から、初心者にも分かりやすく解説いただきます。
| *1 米国政府によるICC制裁決定が発表された2026年10月9日は、ノルウェーのノーベル委員会が、元ICC裁判官で著名な国際法律家であるナビ・ピレイ氏への2026年ノーベル平和賞授与を発表した日だった。同委員会は、「戦争犯罪、人道に対する罪、ジェノサイドの確実な訴追を確保する」うえでピレイ氏が中心的な役割を果たしたことを授賞理由に挙げました。
*2 パレスチナは2015年にICCに加盟し、2014年6月13日以降に自国領域内で、または自国民によって行われた重大犯罪を扱う権限をICCに付与しています。 *3 銀行口座の凍結や閉鎖、金融取引の拒否、デジタルサービスの利用拒否、米国への入国禁止など。米国の制裁は米国の管轄外にある米国以外の銀行やその他の企業にも萎縮効果をもたらします。制裁に従わなければ、各企業は米国の銀行システムを利用できなくなるおそれがあるためです。つまりICCは、銀行業務から情報、技術、渡航に至るまで、日常業務で頼っている企業を利用できなくなる可能性があります。 *4 ICCはパレスチナに関する捜査に加え、アフガニスタン、スーダン・ダルフール、バングラデシュ/ミャンマー、ウクライナ、ベネズエラを含む17の事態で、犯罪の容疑に関する捜査を開始しています。ICCは、戦争犯罪、人道に対する罪、ジェノサイド、侵略犯罪の容疑者を、高官も含めて裁くために設立された世界初の常設の国際裁判所です。1990年代半ばのルワンダと旧ユーゴスラビアでのジェノサイドを受け、国際社会は、重大犯罪に最も責任のある者が裁きを逃れるのを防ぐためにICCを設立しました。国連加盟国の約3分の2がICCに加盟しています。 |
______________________________________________
プレスリリースのダウンロードはこちら



