【活動報告】セミナーinニューヨーク「原子力は気候変動の解決策ではない」のご報告

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HRN(ヒューマンライツ・ナウ)ニューヨークでは、9月23日にニューヨークの国連本部で開催された国連気候変動サミット(UN Climate Summit 2014)と9月21日の気候変動の問題解決を訴える大規模市民運動「ピープルズ・クライメート・マーチ」開催に合わせて、原発に関わる諸問題について議論するセミナー「原子力は気候変動の解決策ではない」を9月15日に国連チャーチセンターで共催いたしました。共催団体はピープルズ・クライメート・マーチのNuclear-free Carbon-freeグループ結成の主催団体であるNuclear Information and Resource Service(NIRS)やノーベル平和賞受賞医師団体の社会的責任を果たすための医師団(PSR)、ニューヨーク市から25マイル(約40キロ)にあるインディアンポイント原発の諸問題に取り組んでいる70以上の団体の連携グループ、ピースボートUS、Temple of Understanding、ニューヨークで反原発デモや勉強会などを企画するSloths Against Nuclear Stateでした。平日月曜の午前中にも関わらず30人以上の参加者にお集まりいただきました。
 
NIRSのExecutive Directorのティム・ジュドソン氏の司会でセミナーはスタートしました。最初のパネリストは原子力の分野でエンジニアとして40年以上ご経験のあるアーニー・ガンダーセン氏。同氏は福島での原発事故などを例に原子力の危険性や放射性廃棄物の問題が山積みであることについて説明し、なぜ原発は気候変動の対策にならないのか訴えました。次に、第二次大戦中の原子爆弾や冷戦時代に利用され今は除染されることなく放棄されたままのウラン鉱山や、1979年7月のチャーチロック放射能漏れ事故の影響で今なお環境や健康の被害が続いている米ニューメキシコ州に位置するディネ(別名ナバホ)について、活動家レオナ・モーガン氏によるスピーチがありました。つづいて、インドの映画監督のプラディープ・インドゥルカー氏にはインターネット電話で参加していただき、PSRの役員の一人であるアルフレッド・メイヤー氏とともに、放射能の人への影響について解説をいただきました。ニューヨーク市から40キロしか離れていないインディアンポイント原発を止めようと20年活動してきたマリリン・エリー氏は、原発による水や魚などに与える影響について、原発の技術的な問題点にも触れながら説明しました。最後に、HRNニューヨーク代表の井上まりが発言し、福島での原発事故後の政府の対応の諸問題や福島で甲状腺ガンの診断を受けた子ども達が増えていることを報告、HRNによる「2013年イラク・ファルージャにおける先天性障がいに関する事実調査報告書」を紹介しながら、原発と劣化ウランの関連性や劣化ウラン弾に関する国連決議にアメリカ・イギリス・フランス・イスラエルが反対していることなどについて解説し、なぜ原発は気候変動の対策にならないのか訴えました。質疑応答には多くの質問が寄せられました。
当日のセミナーの映像はインターネット(ユーチューブ)で視聴することができます。http://youtu.be/zQIBShoPQr8
今後もHRNでは次の仙台防災会議に向けた取り組みなど原発事故後の人権問題に積極的に取り組んでまいります。引き続きご支援のほどよろしくお願い致します。