9月10日オンエアのJ-waveの番組『Asience Spirit of Asia』(毎週日曜18時~18時54分)のAsian Beatyというコーナーで、ヒューマンライツ・ナウ事務局長の伊藤和子弁護士のインタビューがオンエアされました。
【インタビュー抜粋】
世界の様々な地域で、深刻な問題となっている、「人権」の問題。特に貧困にあえぐ途上国の、女性や子供が犠牲になっている、という事実がある訳ですが、そんな現状を改善するため、日本を拠点に新しい国際貢献の流れを作ろうと、弁護士、学者、ジャーナリストなどが中心となって、活動をスタートしたNGO団体があります。「ヒューマンライツ・ナウ」。
7月に東京大学で行われた設立総会には、たくさんの学生たちが足を運び、そんな問題提起に耳を傾けたそうですが、産声をあげたばかりで、資金や人的な援助体制など、団体としての活動が軌道に乗るのは、まだまだこれから。
自ら声をあげ、団体を立ち上げ、この問題と向かい合うことを選択したのが、今回ご紹介するアジアンビューティ、弁護士の伊藤和子さんです。
幼い頃は、「ピアニスト」や「詩人」、「小説家」を夢見ていた伊藤さんでしたが、早稲田大学の法学部に入学、そこで出会った教授に影響を受け、「人権問題」について真剣に勉強をするようになります。
そして大学を卒業後、合格率は2%と言われる司法試験への挑戦を決意。しかし一発で合格、とはいかず、失敗、挑戦、また失敗、また挑戦…を繰り返し、結局、3年という月日を経て、ようやく、弁護士としての活動をスタートするのです。
「大学を卒業して、仕事もなくて、プー太郎で勉強していて、、、本当に受かるかどうかわからないとうい時は、絶望的な気持ちになりました。その時、「自分も弱い存在なんだな」と思いましたね。そんな状況の中、周りの友達が励ましてくれたのがとても大きいかったです。だから、「自分は弁護士になったら人を励ます人になろう」と思いましたね。」
もともと国際貢献に関心を持っていた彼女は、弁護士活動の傍ら、一市民として、さまざまなNGO活動に参加。
講演を聴きに行ったり、アフガニスタンの子供達の医療支援を行うNGOに協力したり、さらに、長年に渡って土地に悪影響を及ぼすと言われる「劣化ウラン」の廃絶を呼びかけたり、積極的にアクションを起こします。
そんな中、更に認識を深める目的で、日本弁護士連合会が行っている留学制度を利用して、ニューヨークのロースクールに留学する事を決断。そこで、今まで経験することのなかった実態を、学ぶ事になります。
「アメリカの人権活動家やNGO団体と接していますと、本当にやっている事がダイナミックなんですね。自分の国の人権問題についても、国連で決まった人権のスタンダードにもとずいて、政府に対していろいろと注文をつけていくというのもありますし、それだけではなくて、世界のさまざまな地域で人権侵害があって、それを何とかしたい。。という事で、たとえば紛争で傷ついた国に入っていって、そこで新しく権利を作ったり、人権に関係する法律を作ったり、という事をやっていく。若い法律家がどんどんそういう事に意欲を燃やして世界に出るという姿をみたんですね。それが非常に印象に残りまして、日本にいる弁護士でも、それが出来るのではないかと思いました。」
弁護士、学者、ジャーナリストなどが中心となって設立された、世界各地の人権問題に取り組むNGO団体、「ヒューマンライツ・ナウ」。
発信者の一人で、事務局長を務めることになった伊藤さんは、こうも言っていました。
「日本ではまだまだ人権問題に対して理解が得られない部分もあって、活動を行う上で、予算を得るのすらままならない」。
同時に、団体をよりしっかりしたものにするための、”若い世代の育成”も、重要な課題で、事務局長として、日々奔走してるんだそうです。最後に、弁護士という職業を生かし、世界各地の人権問題に取り組む彼女に、<自身をNGO活動に打ち込ませるモノ>について、伺ってみました…
「弁護士を普通にしていると、経済的にえられるものは大きいのですが、それで本当に幸せなのかというと、そうはないのかもしれないなと思うんですね。やはり一生終わった時に、自分はこれだけの事をやったんだと思って、ある程度納得して死にたいなと思うんです。法律家として生まれた以上、これだけの事はやりたい…そうするとやっぱりお金とは両立しないかもしれない。。自分ではそれで納得していますが、家族が納得しているかというと、少し心配しているかもしれませんね。(笑)」