【イベント報告】2019年4月15日「いま、つながろう セクハラのない社会へ」

2019年4月15日日本マスコミ文化情報労組会議主催の「いま、つながろう セクハラのない社会へ」という院内集会に出席しました。

昨年の財務次官の記者に対するセクハラや就活生へのOBによる性暴力、外務省職員に対する大使によるセクハラなど、セクハラの報道は後を絶ちません。この院内集会では、様々な職場におけるセクハラの実態が話し合われました。

 

メディアの現場、政治家、介護、法律家、学校現場、LGBTに対するセクハラなど、様々な視点から意見が交わされ、共通認識として「セクハラを禁止する法律」がない、現場の認識や理解、支援不足の問題が指摘されました。政治の場面でも、セクハラヤジや支援者からのセクハラも根強く、市民から声をあげてこの問題に取り組む必要があります。

 

 

国際労働機関(ILO)では、仕事の世界における暴力とハラスメントを禁止する条約の制定に向けた議論が続いています。この条約では、「労働者」の範囲を就活生やボランティア、インターンにまで広げています。また、技能実習生に対する様々なハラスメントにも取り組んでいかなければなりません。

Business Insider Japanの竹下記者によるとアンケートを実施した結果、半数の女性就活生がセクハラの被害にあったといいます。被害を受けても自分の立場や就活の妨げになるのではないかと誰にも相談できない人が多いのが現状です。また、LGBT連合会共同代表の池田氏はセクハラなどに加えて、本人の同意なしに性的アイデンティティをばらすアウティングなどSOGI(Sexual Orientation and Gender Identity)ハラも問題にするべきだと訴えました。埼玉大学の金井教授は、顧客消費者からのハラスメントの深刻さを話されました。この背景には「顧客第一主義」と言われる日本社会の風潮があり、接客業につく労働者に不利な状況を作りあげていると指摘しました。

ヒューマンライツ・ナウの伊藤事務局長は、セクハラや性暴力の被害にあった人へのバッシングもひどく、日本にいられなくなった伊藤詩織さんの例を取り上げ、被害者が声をあげにくに仕組みそのものが問題であると指摘しました。刑法の改正の必要性も訴え、明確な処罰と監視機関、セクハラ禁止法の重要性について発言しました。

世界的に広がりをみせた#MeToo運動では、多くの女性や男性が声をあげて立ち上がりましたが、日本では法整備の面で遅れをとっています。一日も早く法整備を行い、セクハラは「犯罪」であると明確にするべきだと思います。また、被害者への支援体制も早急に整備して、被害者が声をあげたことを後悔するような現状を変えていかなければなりません。

ヒューマンライツ・ナウは今後もこの問題に取り組み、企業や政府に意見を述べていくと共に被害者救済にも取り組んでいきます。