世界子どもの日に向けて

「私たちは団結していて、私たち若者は止められない」
– グレタ・トゥーンベリ, 2019

2018年に一人の少女が学校を休み、スウェーデンの国会議事堂の前に座り込み、気候​変動への抗議を始めました。グレタ・トゥーンベリさんの行動はあっと言う間に世界に広がり、1400万人以上が参加して気候変動の深刻さを世界中に訴える気候​変動抗議運動になりました。

1年後の国連気候変動会議にて政治家に向けて行った彼女の演説は、世界に若者の力を見せつけました。彼女は今も、気候変動は政治の問題ではなく、社会危機であり、基本的な人権の問題だと伝え続けています。

彼女の情熱は気候変動の問題だけにはとどまらず、新型コロナウイルス感染症に影響された子どもの教育や精神衛生などの問題に取り組むキャンペーンも始めました。グレタさんは「希望を生み出す唯一のものは行動」と呼びかけ、世界に希望と勇気を与え続けています。

世界の状況

残念なことに、人権がないがしろにされている子どもたちは世界にたくさんいます。
新型コロナウイルス感染症によって社会の様々な格差が深刻化した中、国連は子ども達がパンデミックの最大の犠牲者になるリスクを警告をしました。
なかでも貧困については、極度の貧困状態にいた子どもが3億8600万人であった2019年と比べ、パンデミックの影響を受けて推定4200-6600万人増加する可能性があると国連が報告しました。その他にも、世界中の学校が休校になり、インターネットにアクセスが無いために教育を続けられない子どもたちがたくさんいます。
人権擁護者のキング牧師が「どこにおける不正であっても、あらゆるところの公正への脅威となる。」と語ったように、より良い将来の為に世界中の子どもたちの人権問題を考える必要があります。

日本では

子どもの人権問題は、日本でも身近なところに潜んでいます。コロナ禍の日本で、去年1年間に虐待の疑いがあるとして児童相談所に通告があった子どもが、初めて10万人を超え過去最多になりました。在宅時間が延びたことが増加の一因と言われています。家庭環境に恵まれない子どもたちは、周りの大人を気にして自分らしく行動できない、言いたいこともいえない苦しい日々を過ごしています。
また、日々の行動が知らぬ間に児童労働に加担しているということも考えられます。あなたが手にする商品は、過酷な児童労働という子どもの人権侵害の上に成り立っている可能性があるのです。
私たちの生活も、国内外の子どもの人権に常に密接に繋がっています。