【賛同声明】ODA大綱見直しに関するNGO共同声明

ヒューマンライツ・ナウはODA大綱見直しに関する以下の声明に賛同しています。

途上国の開発と貧困・格差の解消に非軍事的手段で貢献するODAを
=ODA 大綱見直しに関するNGO 共同声明=
2014 年4 月14 日
NGO 大綱見直しを考えるNGO 有志一同
本年3 月28 日、外務省は「政府開発援助(ODA)大綱見直しに関する有識者懇談会の開催について」を発表し、有識者懇談会を設置してODA 大綱改定に向けた検討を進めていくことを明らかにしました。3 月31 日には、有識者懇談会の第1 回会合が開催され、大綱改定に向けた基本方針など重要な事項が討議されています。
グローバル化が進む現代、国際協力はすべての市民にかかわる重要課題です。ODA は政府による国際協力の中核であり、その基本方針を規定するODA 大綱の改定は、市民の参加の下、できる限り透明かつ民主的なプロセスに従って行われる必要があります。加えて、ODA 自体を、市民に開かれた、わかりやすいものとしていく必要があります。また、ODA については、開発途上国における民生の安定、人権の尊重・保護・充足、平和の増進をめざして、国内外で検討が積み重ねられ、それがよりよいODA 政策に反映されてきた歴史があります。ODA 大綱の改定にあたっては、こうした政策形成の積み重ねを反映したものとする必要があります。
以上の観点から、NGO として、ODA 大綱見直しにあたっては、以下の事項を踏まえるよう要望いたします。
1.ODA 大綱見直しのプロセスについて
ODA 大綱は、多くの市民・関係者が注目するODA の根本部分を提示する方針文書であり、前回のODA 大綱改定時の前例に倣ったプロセスの担保は、政策への信任上、不可欠です。また、多くの市民の支持や、関係者の協力を得てODA を実施する上で、むしろ改定プロセスでしっかり時間と手間を掛けて意見・ニーズを聞き、反映させておくことで、大綱改定後のよりよい協力関係が可能となると考えます。こうした観点からODA 大綱改定のプロセスについて以下3 点を要望します。
(1)ODA 大綱改定タスクフォースの設置を
前回の改定時には「ODA 総合戦略会議」内に担当タスクフォースが設置され、重要な役割を果たしました。今回のODA 大綱改定でも、骨子・案文の作成を、外務省とともに、関係セクターの識見ある者の参加による「タスクフォース」によって行なってください。また、このタスクフォースが改定プロセスのマネジメントや、関係セクター等との意見交換のコーディネートも実施するのが望ましいと考えます。
(2)骨子・案文の各段階での公開と意見交換を
ODA 大綱改定の骨子・案文は、段階ごとに公開し、関係セクターおよびNGO など市民社会との意見交換を実施し、そこで出された意見が改定プロセスに反映されるよう配慮してください。この点について、NGOは外務省との定期協議会の実績を踏まえた協力が可能です。意見交換は、東京のみならず、地方での開催も検討してください。
(3)応答性のある公聴会・パブリックコメントの実施を
今回のODA 大綱最終案に対する公聴会の開催およびパブリックコメントを実施し、そこで出された意見、政府・外務省の回答、採用の可否について、一覧を図表化・文書化し、後日、外務省ホームページ等で公開してください。前回はODA大綱改定時にNGOは政府公聴会の実施・コーディネートを担った経験があり、この点でも協力が可能です。公聴会は、東京のみならず、地方での開催も検討してください。
2.ODA 大綱見直しの内容について
(1)国内外でのODA 政策の積み重ねの反映を
ODAについては、途上国の開発と貧困・格差の解消に最大限の効果をあげるものとすべく、国内外で検討が積み重ねられ、政策に反映されてきました。2000 年以降においては、援助の量や効果に関する国際的な検討プロセスの中で、短期的な国益追求や外交ツールとしての援助のあり方を改革し、途上国のオーナーシップの下で、全ての関係者が協働し、開発政策とその過程の民主的オーナーシップを深化させ、開発効果を上げていくことが追求されてきました。ODA 大綱の改定において、これらの政策の積み重ねを反映してください。
(2)途上国の開発と貧困・格差の解消のためのODA を
ODA の第一義的な目的は、ODA 供与先の途上国の開発と貧困・格差の解消です。日本を含む援助国自身の経済成長や民間セクターの便益は、ODA による途上国の開発の結果として得られるべきものであり、ODA の直接的な目的とするべきではありません。この点を、ODA 大綱の見直しにおいて明確にしてください。
(3)ODA4原則を維持し、世界の平和と繁栄の追求を
現大綱のODA4 原則は、ODA の軍事的用途および国際紛争助長への使用の回避を明記しています。ODA は軍事的利益や短期的な外交的利益に従属するものであってはなりません。ODA 大綱の改定においても、現行のODA4原則を維持し、非軍事的手段で世界の平和と繁栄を希求する立場を堅持してください。
以上
【賛同団体一覧】(全73 団体、2014 年4 月22 日現在)
茨城県 特定非営利活動法人 黄土高原環境・緑化計画
東京都 特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター
千葉県 すぺーすアライズ
特定非営利活動法人 ハビタット・フォー・ヒューマニティ・ジャパン
埼玉県 Nature & Humans
特定非営利活動法人 ハンガー・フリー・ワールド
東京都 特定非営利活動法人 アーユス仏教国際協力ネットワーク
東京都 特定非営利活動法人 HANDS
東京都 アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」
東京都 ピースボート
東京都 特定非営利活動法人 アジア・コミュニティ・センター21
東京都 特定非営利活動法人 ピープルズ・ホープ・ジャパン
東京都 特定非営利活動法人 アジア植林友好協会
東京都 特定非営利活動法人 ヒューマンライツ・ナウ
東京都 特定非営利活動法人 アジア女性資料センター
東京都 特定非営利活動法人 プラネットファイナンスジャパン
東京都 特定非営利活動法人 アジア太平洋資料センター(PARC)
東京都 公益財団法人 プラン・ジャパン
東京都 特定非営利活動法人 アフリカ日本協議会
東京都 特定非営利活動法人 ブリッジエーシアジャパン
東京都 動く→動かす
東京都 北京JAC(世界女性会議ロビイング・ネットワーク)
東京都 特定非営利活動法人 ACE
東京都 特定非営利活動法人 ワールド・ビジョン・ジャパン
東京都 特定非営利活動法人 エコ・コミュニケーションセンター
東京都 特定非営利活動法人 ONE ASIA
東京都 FGM 廃絶を支援する女たちの会
神奈川県 特定非営利活動法人 WE21 ジャパン
東京都 特定非営利活動法人 エファジャパン
神奈川県 特定非営利活動法人 WE21 ジャパンいずみ
東京都 特定非営利活動法人 オックスファム・ジャパン
神奈川県 特定非営利活動法人 WE21 ジャパンさかえ
東京都 特定非営利活動法人 開発教育協会
神奈川県 特定非営利活動法人 草の根援助運動
東京都 特定非営利活動法人 「環境・持続社会」研究センター(JACSES)
神奈川県 JAWW(日本女性監視機構)
東京都 教育協力NGO ネットワーク(JNNE)
神奈川県 特定非営利活動法人 地球の木
東京都 公益財団法人 ケア・インターナショナル ジャパン
神奈川県 バオバブの会
東京都 特定非営利活動法人 国際協力NGO センター(JANIC)
神奈川県 特定非営利活動法人 ビラーンの医療と自立を支える会
東京都 国連安保理決議1325 号国別行動計画市民連絡会
神奈川県 特定非営利活動法人 横浜NGO 連絡会
一般社団法人 コンサベーション・インターナショナル・ジャパン 新潟県 特定非営利活動法人 にいがたNGO ネットワーク
東京都 特定非営利活動法人 災害人道医療支援会(HuMA)
岐阜県 特定非営利活動法人 ソムニード
東京都 特定非営利活動法人 サパ=西アフリカの人達を支援する会
愛知県 バイオダイバーシティ・インフォメーション・ボックス
東京都 特定非営利活動法人 ジーエルエム・インスティチュート
愛知県 特定非営利活動法人 チェルノブイリ救援・中部
東京都 特定非営利活動法人地雷廃絶日本キャンペーン(JCBL)
愛知県 公益財団法人 アジア保健研修所(AHI)
東京都 特定非営利活動法人 シャプラニール=市民による海外協力の会
愛知県 特定非営利活動法人 名古屋NGO センター
東京都 公益社団法人 シャンティ国際ボランティア会
京都府 開発教育研究会
東京都 公益財団法人 ジョイセフ
京都府 特定非営利活動法人 気候ネットワーク
東京都 障害分野NGO 連絡会(JANNET)
大阪府 特定非営利活動法人 関西NGO 協議会
東京都 公益社団法人 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
岡山県 世界女性会議岡山連絡会
東京都 特定非営利活動法人 チャイルド・ファンド・ジャパン
山口県 特定非営利活動法人 シャンティ山口
東京都 特定非営利活動法人 DPI(障害者インターナショナル)日本会議
福岡県 アジア開発銀行福岡NGO フォーラム
東京都 特定非営利活動法人 難民を助ける会
福岡県 特定非営利活動法人 NGO 福岡ネットワーク
公益社団法人 日本キリスト教海外医療協力会(JOCS) 熊本県 ほっとけない熊本プロジェクト
特定非営利活動法人 日本リザルツ
【本件に関する問い合わせ先】
動く→動かす 事務局(担当:稲場)
TEL:03-3834-6902 / FAX:03-3834-6903 / E-MAIL:office@ugokuugokasu.jp
特定非営利活動法人 国際協力NGO センター 調査提言グループ(担当:堀内、山口)
TEL:03-5292-2911 / FAX:03-5292-2912 / E-MAIL:advocacy@janic.org