【声明・発言】ヒューマンライツ・ナウが国連人権理事会で書面・口頭により意見表明

1.書面によるステートメント

20127月に国連特別協議資格を取得したヒューマンライツ・ナウ(HRN)は、今年3月に開催された第25会期国連人権事会に参加し、以下の諸問題について情報提供と意見表明することによって討議に貢献しました。HRNが国連に送付した書面ステートメントは、国連文書として、国連人権理事会メンバー及び全加盟国に送付され、国連のウェブサイトに載せられています。


今回、書面で提出したステートメントは以下の4項目についてです。


●ビルマの人権状況―民主化の歩みを始めたビルマでは一定の人権状況の改善が見られるものの、以前として報道の自由は大きく制約されており、ジャーナリストが逮捕・刑事告訴されて懲役刑を宣告されている。また軍事政権は、政治囚の解放と政治弾圧の抑制を約束したものの、依然として多数が服役中であり、反政府的とみなされた人々への弾圧も続いている。さらに、日本政府とJICAによるものを含めて、外国政府や企業による「開発プロジェクト」による土地の収奪と移転の強制により、先住民族を始め多くの人々が生存と生活を脅かされていることを指摘し、人権基準に適合する企業活動のガイドラインを確立し、遵守を確保するための活動を理事会に要請する。

Human Rights Situation
in Myanmar.pdf

 

●福島原発事故後の被災者の状況―2012年に現地調査をおこなった、健康に関する国連特別報告者グローバー氏が調査報告書(2013年)の中でおこなった勧告を政府が考慮せず、根拠なく健康被害を未来にわたって否定していることを批判し、被災者の健康に関する権利を保障し、被害に対する十分な補償を提供することを強く求める。

Fukushima the Japanese
government to protect people’s right to health in accordance with
recommendations by the UN Special Rapporteur Anand Grover.pdf

 

●インドの児童労働―インド北東地域の炭鉱における児童労働(ネパールやバングラデシュから人身売買された子どもたちを多く含む)に関して、HRN2010年におこなった現地調査を踏まえ、その過酷な状況を報告し、児童労働を禁止するインド国内法および子どもの権利条約の遵守をインド政府に求め、国際社会による一層の監視と対策を求める。

Extremely hazardous
Child Labour in coal mines in Meghalaya, India.pdf

 

●イラク戦争後の新生児先天性異常―米国と英国による集中的な爆撃を浴びた地域(ファルージャ、バスラなど)で異常に高率で発生してきた新生児の先天性異常についてHRN2013年に実施した現地調査の結果に基づき、その原因として重金属や劣化ウランを含む爆弾が強く疑われることから、米国と英国に同地域で使用した兵器に関する詳細な情報の提供を要請し、根拠なくその因果関係を否定してきたイラク政府とWHOに対して、地域の病院などから収集したデータに基づく再調査と対策を要請。

Children and Armed
Conflict Violation of Rights to health of children in Iraq needs immediate
international attention.pdf

 

2.口頭によるステートメント

また、以下の5項目について口頭による意見表明を行いました。カッコ内は、発言した日と議論のテーマです。

●福島原発事故後の被災者の状況(311日、人権と環境) 

発言内容は、基本的に文書で提出したステートメントと同じ(ただし、時間的制約から圧縮版)。

Oral Fukushima Mar2014.docx

UNウェブキャスト(1:23:38~)

http://webtv.un.org/search/clustered-id-contd-ie-on-sustainable-evironment-and-foriegn-debt-20th-meeting-25th-regular-session-of-human-rights-council/3326677199001?term=human%20rights%20council&sort=date

 

●インドの炭鉱における児童労働(312日、子どもの人身売買)

発言内容は、基本的に文書で提出したステートメントと同じ(ただし、時間的制約から圧縮版)。

Oral (Child Trafficking and Labour in India) Mar2014.doc

UNウェブキャスト(33:50~)

http://webtv.un.org/search/clustered-id-contd-sr-cultural-rights-and-sale-of-children-24th-meeting-25th-regular-session-of-human-rights-council/3332699585001?term=human%20rights%20council&sort=date

 

●イラク戦争後の新生児先天性異常(313日、子どもと武力紛争) 

発言内容は、基本的に文書で提出したステートメントと同じ(ただし、時間的制約から圧縮版)。

Oral statement Iraq
Mar2014 HRC25.doc

UNウェブキャスト(10:05~)

http://webtv.un.org/meetings-events/human-rights-council/watch/clustered-id-contd-sr-of-sg-on-child-violence-and-armed-conflict-28th-meeting-25th-regular-session-of-human-rights-council/3337509488001

 

●日本の特定秘密保護法(314日、Items 2&3一般的議論) 

安倍政権が、国民的議論も国会における十分な議論も保障せず、また国連人権高等弁務官や表現の自由に関する国連特別報告者による強い懸念表明を無視して強行採決して成立させた特定秘密保護法は、情報へのアクセスの権利や報道の自由を含めて表現の自由を侵害し、日本社会の民主主義を危機に陥れる危険性を持つ法であることを強調した上で、日本政府に対して、人権高等弁務官が同法の公式英訳の提出と対話の継続を求めていることに誠実、迅速に対応することを要請した。なお、冒頭で、「日本軍性奴隷の被害者の日」を国連が制定する提案を全面的に支持することを表明した。

Oral Secret protection
law.doc

UNウェブキャスト(1:56:02~)

http://webtv.un.org/meetings-events/human-rights-council/watch/hcsg-thematic-reports-and-general-debate-contd-29th-meeting-25th-regular-session-of-human-rights-council/3339582064001

 

●ビルマの人権状況(317日、 ビルマ)

発言内容は、基本的に文書で提出したステートメントと同じ(ただし、時間的制約から圧縮版)。

Oral Myanmar short
17Mar2014.docx

UNウェブキャスト(1:53:04~)

http://webtv.un.org/search/id-special-rapporteur-on-myanmar-32nd-meeting-25th-regular-session-of-human-rights-council/3355256060001?term=human%20rights%20council&sort=date