スピーチコンテストについて

「わたしたちの声が、勇気が、世界を変えていく。
より平和で、一人ひとりが尊重される世界を、私たち自身が築いていく。」
今回のプロジェクトが未来のより良い社会を築く大きな一歩になるよう、切に願っています。

認定NPO法人ヒューマンライツ・ナウは、「世界子どもの日」によせて、映像スピーチコンテストを開催します。 中学生、高校生のみなさんに、「子どもの人権・権利」、「世界や日本の子どもたちの状況と人権の大切さ」、「身近なところで感じた人権の大切さ」などについて語った映像をヒューマンライツ・ナウに送っていただき、審査員により審査を行います。

「私は、学校に行けない6600万人の女の子なのです。」

2014年にノーベル平和賞を受賞したパキスタン人のマララ・ユスフザイさんが15歳のときに通学バスに乗り込んできた男に銃で撃たれてしまったニュースは、まだ記憶に新しいと思います。彼女が撃たれてしまったのは、女の子が教育を受けられないのはおかしい!と、女の子への教育の必要性を社会に訴え続けていたからです。
しかし、銃に撃たれても、マララさんは負けませんでした。病院で手術を受けた後も、脅しにひるむことなく、私自身も学校に行けない6600万人の女の子のひとりだと、女の子に教育が必要だ、と伝え続けました。
その勇気ある行動は世界中の人々にマララさんと同じ境遇にある少女たちの存在と教育の必要性を気づかせ、国連が取り組みを強めるきっかけになりました。一人の少女の勇気ある声が世界を動かしたのです。

世界の状況

人権がないがしろにされている子どもたちは世界にたくさんいます。
ヒューマンライツ・ナウが2010年に行った調査では、インド北東部のメガラヤ州というところでは、12、13歳の子どもたちが、学校に行かず、炭鉱で奴隷のように働かされていました。8歳や9歳のころから仕事をしている子もいました。深い地下のトンネルの中で、酸素も薄く、換気も悪く、安全な飲み物もなく、トンネルが崩れたり、水浸しになることもありました。そのような状況で、命を落としてしまった子どももたくさんいました。
子どもたちの多くは、バングラデシュやネパールから人身売買で連れてこられた子どもたちでした。この現状を変えたのは、子どもたち自身でした。彼らの訴えを聞いて、私たち人権団体は報告書を世界に公表した結果、炭鉱は閉鎖となりました。

日本では

世界には、今も絶え間ない戦争によって子どもたちの命が奪われています。児童労働や差別、貧しさなどから、自由や未来を奪われている子どもたちがたくさんいます。
でもそれは他人事でしょうか。
私たちにも何かできることはないのでしょうか。
そして、日本でも、いじめにあったり、大人から暴力を受けたり、もっといえば、周りのことを気にして自分らしく行動できない、言いたいこともいえない、なんてことはないでしょうか。

だからこそ

日本の子どもたちも、マララさんのように、勇気を出して意見を言うことで、社会に気づきを与え、何かを変えることが出来るはずです。
そのきっかけになればと、今回の映像スピーチコンテストを開催することにしました。
勇気を出して意見を言うことで、社会に気づきを与え、何かを変えることが出来るはずです。
最近、日本の大学生や若者たちが「民主主義ってなんだ?」などと声をあげて、自分たちらしい言葉でスピーチをする機会が日本中で増えています。そうした若者の声は、確実に大人たちを、社会を動かしています。
これからの世界と日本を担っていくのは子どもたち、今のような世界だからこそ、日本の子どもたちにも、自分のこととして、子どもの権利について考え、自分の言葉でどんどん語ってもらいたいと思います。
「世界子どもの日」が目指している子どもたちの人権保障や幸せ、お互いを理解しあうことにつながって欲しいと思います。より平和で、一人ひとりが尊重される世界を、子どもたち自身が築いてくれるはずです。子どもたちの声が、わたしたちの声が、勇気が、世界を変えていく、今回のプロジェクトがその一歩になればと切に願っています。