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ご挨拶

HRN理事長 阿部浩己
(神奈川大学法科大学院教授)

世界中あらゆる所でそうであるように、日本にも、人権の実現を求める闘いの歴史が幾重にも積み重ねられてきました。1980年代末から90年代になると、闘いの軌跡は国際的な次元に広がっていきます。人権条約のメカニズムなどを効果的に利用するNGOが日本にも続々と登場し、国際人権活動に新たな彩が添えられていくことになります。ヒューマンライツ・ナウ(HRN)は、こうした先達たちによる誇るべき人権活動の蓄積のうえに、2006年7月に発足しました。

HRNが自らに課した任務は、日本を拠点にアジアの人権問題に多角的に関わっていくことです。組織の能力を漸進的に拡充しながら、アジア各地で平穏ならざる日常を営む多くの人権活動家たちと水平な関係を切り結び、その土地土地に棲まう人々が求める人権の具現化(=不正義の除去)のために力を注いでいこうと考えています。

ここでいう<力>とは、連帯と共感の精神に支えられた知力を源泉とするものです。HRNの活動は、活力と希望を湛えた気鋭の法曹が担っています。自らが学んだ法、とりわけ国際人権・人道・刑事法の知見を、それを真に必要とする人びとのために振り向け、そして同時に、そこに映し出された自らの姿を批判的に見つめ直す持続的営為を通じ、アジアの隣人たちの信頼を得られればと願っています。

人権は、強引に押し付けたり、高みに立って教示できるようなものではありません。この、当たり前であるべき真理に常に敏感であることを忘れず、冷厳な現実に正対していく所存です。誕生したばかりですが、それだけに無限の可能性を秘めたHRNの今後の活動へのご支援とご助言を心からお願い申し上げます。

HRN事務局長 伊藤和子
(弁護士)

励まして下さっている皆様、日ごろのご厚情に、心から感謝いたします。

人権を守るために声をあげ、行動したことを理由に拘束され、殺される弁護士・人権活動家たち、貧しい農村から都市に売られ性的搾取される子どもたち、結婚前に恋愛をしたために、火をつけて焼かれる女性、そして武力紛争の中で標的とされる罪もない人たち、私たちの隣国であるアジア諸国では、今でもそのような人権侵害が続いています。

一方で、とても感動するのは、そんな困難な中でも命を堵して、人権が保障され紛争のない社会をつくるために活動する、力強いアジアの友人たちの存在です。彼らはネットワークをつくり、少しずつ前進しています。

ヒューマンライツ・ナウは、そんな友人たち、アジアで活動する人権NGO・法律家の仲間たちと手を携えて、アジアの人権状況を改善し、自由で平和で抑圧のない地域、そして世界をつくるために、貢献していきたいと考えています。

まだ出来たばかりのヒューマンライツ・ナウの活動には、試行錯誤も続くことと思いますが、5年後、10年後を見据えて、アジア地域の人権状況にとって価値ある活動を展開する人権NGOになっていくよう、全力を尽くしたいと思います。今後ともみなさまのご協力をよろしくお願いします。

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