トップ > 活動報告 > 声明・レポート > 声明

活動報告

声明・レポート : 声明

【声明】スーダン・バシル大統領に対する国際刑事裁判所の捜査・訴追について(2008/10/5)

 2008年7月中旬、国際刑事裁判所(ICC)検察官ルイス・モレノ・オカンポ(Luis Moreno-Ocampo)は、スーダンのバシル大統領に対して、5件のジェノサイド、3件の人道に対する罪、2件の戦争犯ICCに対して逮捕状を請求した 。この逮捕状請求を受けて、9月中旬、ICCの裁判官は、正式にバシル大統領に対する逮捕状の発付を検討し始めた 。 

 スーダンのダルフール地方では、スーダン政府軍と、スーダン政府の支援を受けた民兵組織が無辜の人々に対する攻撃を行い、多数の住民が虐殺されたうえ、200万人以上の難民が発生したとされる 。このような深刻な人道被害を鑑みれば、バシル大統領に対するICCによる訴追は、国際社会における正義を実現するために不可欠であり、また当然というべきである。

 しかしながら、最近このような正義の実現を阻む動きが存在する。安全保障理事会の決議によって、バシル大統領に対する捜査・訴追を中止すべきであるという動きが予断を許さない状況にある。
国際刑事裁判所規程第16条は、安保理7章下の決議において捜査・訴追停止要請を決議した場合には、12ヶ月間訴追・捜査ができないと定める。アフリカ連合(AU)はこの規定を利用した捜査・訴追の停止を明示的に支持し 、国際社会の一部に、これに同調する動きがある 。

 ヒューマンライツ・ナウは、バシル大統領に対する捜査・訴追を停止する安保理決議に強く反対する。なぜなら、正義の実現は政治的な取引の材料とされるべき性質のものではなく、また、深刻な人道・人権被害を放置したままで将来にわたる持続可能な和平を達成することは、到底不可能だからである。

 このような私たちの意見は、国際社会からも支持される。いくつかの国々と、Human Rights WatchやAmnesty Internationalなどの主要な国際人権NGOは、このような捜査・訴追停止の動きに反対する立場を表明している 。
2008年6月に、洞爺湖サミットに先立って行われたG8京都外相会合の議長声明は、「我々は、スーダン政府及びその他のすべての関係者に対し、ダルフールにおいて行われた犯罪の不処罰を終わらせるため、国際刑事裁判所と完全に協力することを要請する。」と表明し、スーダン情勢についてICCへの協力を各国に要請しており、これは、G8諸国の総意と理解することができる。  日本は、G8京都外相会合の議長国として、このような声明を発表した重みを踏まえ、この事態について傍観者の立場に立つべきでない。

日本は、バシル大統領の捜査・訴追を停止する国際社会の動きに断固として反対し、正義の実現を呼びかける責任があるというべきである。
正義の実現は、本来的に取引不可能なものである。もし政治的取引によってバシル大統領に対する捜査・訴追を停止した場合、ICCの国際社会における威信は地に落ち、将来に大きな禍根を残すことは間違いがない。ヒューマンライツ・ナウは、国際社会、そして日本政府に対して、このような最近の動きに断固反対し、正義の実現とそれを基礎に置く和平の実現を達成していくことを求める。

以上

 

  • ヒューマンライツ・ナウとは
  • 活動報告
  • イベント
  • 世界の人権は今
  • 国際人権データベース
  • 声明・レポート
  • 支援をする
  • ヒューマンライツ・ナウの想い
あなたにできること 寄付で参加する メディア掲載情報 お買い物で募金ができるようになりました 新しくネット募金ができるようになりました

新しくクリック募金ができるようになりました