【活動報告】ヒューマンライツ・ナウ設立4周年記念トークイベント

 毎年総会後に行い、今回で第四回目の開催となる設立記念トークイベント。

 今年のテーマは「子どもの搾取をなくすために私たちができること」。第一線で活躍するジャーナリスト、NGOスタッフ、法律家をお招きし、アジアの子どもたちの身に何が起きているのか、私たちに何ができるのか話し合いました。

 トークイベント報告Final02.pdf

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<プログラム> 

 【第1部】 パネルトーク 大竹綾子さん 豊田直巳さん 村田早耶香さん 山田洋一さん

 【第2部】 トークリレー &パーティ

 

 

 豊田直巳さん

 今年5talk_event_02.png月、ヒューマンライツ・ナウ調査団に同行した豊田さん。その際に撮影された、インド北東部の鉱山で働く子どもたちの写真が紹介されました。写真に写っている子どもたちは勤勉で元気に働いているように見えるが、炭鉱での労働は危険が伴い、常に事故が多発し、ときには命を落とすこともあるという事実も伝えられました。彼らの多くは、幼くして近隣国から売られてきた人身売買被害者であり、この炭坑で人知れず日々働き、事故被害に遭っています。

 

 豊田さんの写真を通して、多くの参加者が日頃見聞きすることのない、インドの炭鉱で働く子どもたちの姿を目に焼き付けました。  

 

 大竹綾子さん

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特定非営利活動法人国境なき子どもたち」の大竹さんは人身売買の被害にあったカンボジアの子どもたちとその保護について話してくださいました。人身売買の被害の現状は悲惨です。大人からの脅迫・暴行・拷問などによって、子どもたちは心に大きなダメージを受けます。社会へ復帰する際には心のリハビリ・自信の回復が必要不可欠です。また、人身売買の被害者は、文化的な背景や再び売買されるリスクが高いことから元のコミュニティや家庭に戻ることが難しく、排除されてしまうという問題もあります。「国境なき子どもたち」では子どもたちのために職業訓練・教育支援を行い、心のケアを提供しながら、就業もサポートしていく自立支援施設を運営しています。

 

 村田早耶香さん

 村田さんとtalk_event_04.png仲間が「かものはしプロジェクト」を立ち上げるきっかけとなった、カンボジアの児童買春の被害者の話と、被害者の子どもの映像が最初に流され、その後「かものはしプロジェクト」の活動内容が紹介されました。「かものはしプロジェクト」では、児童買春・人身売買問題を防止する活動を、『売る側』『買う側』両方に対してのアプローチを行っています。子どもを『売る側』である農村では貧困に苦しんでおり、その貧困が児童買春・人身売買の大きな原因となっています。そのため、コミュニティファクトリー事業としてカンボジアの貧しい農村で、女性たちに職業訓練と雇用を提供し、一家の経済的自立を目指しています。また、ストリートチルドレンや親のいない子どもたちを保護する孤児院も支援しています。『買う側』を取り締まる対策として、政府を通して警察への訓練を資金的に援助するなどの活動も行っております。

 

 山田洋一さん
 
山田さ
んは、カンボジアで人身売買と性的搾取を処罰するため
の新しい法律の制定にtalk_event_05.pngカンボジア司法省のリーガルアドバイザーとして携わった経験について話してくださいました。それまでカンボジアには人身売買を取り締まるための法律はあったものの、内容が不十分であったため効果的に施行されていませんでした。そこで新しい法律では、処罰規定や民事救済規定を設け、児童買春の規制や被害者救済を実現しようとしています。「かものはしプロジェクト」の村田さんや「国境なき子どもたち」の大竹さんからも、カンボジアでの山田さんの携わった法律改正が、児童買春を規制することと、その被害者を保護するのに大きな成果を上げているこが伝えられましたしかし一方で、まだ改善すべき点が多いことにも言及し、今後も引き続き取り組みが必要であると指摘されました。

 

 
 リレートークでは、てのひら~人身売買に立ち向かう会の百瀬圭吾さん、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの森田明彦さん、ACEの白木朋子さん、フリー・ザ・チルドレン・ジャパンの天野Faith冬樹さんに話をしていただきました。各団体での活動内容や、活動に対する思いをお聞きすることができました。リレートークの後には多くの参加者が、団体のブースへ足を運び、担当者から直接現地の様子や活動内容について詳しく聞いていました。また、支援地域と協力して作られたフェアトレード商品やオリジナルグッズも大好評でした。

 

 最後に、沢山の熱いメッセージを受け、伊藤和子事務局長からは「現地の状況を日本に住む人々に伝え、政府を動かし、一歩ずつ世界の人権状況を改善していきたい。本日パネルトーク・リレートークをしてくださった皆様、お越しくださった皆様と様々な形で協力していきたい」と応え、100名近い来場者でにぎわったこのトークイベントを締めくくりました。